慢性腎臓病はどんな病気?

腎臓の障害が慢性的に続いている状態のことをいいます。

腎臓の機能とは

監修:増子記念病院 両角 國男 先生

腎臓の構造

腎臓は腰の上あたり、お腹の後ろ側に背骨を挟んで左右1つずつあります。形はそら豆に似ていて、重さは1つ120〜160g、大きさはにぎりこぶしぐらいです。
1つの腎臓は、「ネフロン」と呼ばれる特殊な構造が約100万個集まってできています。ネフロンは、数本の毛細血管が球状に絡まった小さなろ過装置の「糸球体」と、糸球体からつながる「尿細管」という管でできています。尿細管はさらに「集合管」へ続き、腎盂へつながっています。

腎臓の構造
ろ過のしくみ

腎臓の最も大切な働きは、体の中にたまった老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をきれいにすることです。これを「ろ過」といいます。
血液が腎臓に流れ込んで糸球体を通るとき、糸球体の壁から老廃物を含んだ液体がこし出されます。これを「原尿」といいます。その後、原尿が尿細管や集合管を通ると、体に必要な成分や水分は再び吸収されます。尿細管では不要な物質の分泌(排泄)もします。そして最終的に、老廃物と余分な水分だけが尿となって体外へ出されます。

濾過のしくみ

ネフロンの働きで、腎臓は尿の濃さや量を調節し、体内のイオンバランスや酸性度などを適正に保っています。

ろ過以外の機能

また、腎臓は、ろ過以外にもいろいろな機能を持っています。
そのひとつが、ホルモンの産生・分泌です。例えば、腎臓から産生されるエリスロポエチンは、骨髄での赤血球の産生を促します。レニン、プロスタグランディン、カリクレイン、キニンは、血圧を調整しています。
さらに、腎臓はビタミンDの活性化も行います。それにより、カルシウムの吸収が促され、骨が丈夫になります。

腎臓のはたらき

上記のように、腎臓はさまざまな働きをしているため、その腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物や水分がたまるだけでなく、赤血球が作られず貧血で体がだるくなったり、ビタミンDが活性化されず骨がもろくなり骨折しやすくなったり、といったさまざまな問題が起こります。

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☞【参考】
腎臓の病気「慢性腎臓病とは」「腎不全とは
アニメで知る!シリーズ「慢性腎臓病の進行を抑えよう!
CKDのクイズに挑戦!「腎援隊検定
データで見る!日本のCKDの"今"「数字で見るCKD!


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