生体腎ドナーインタビュー

「10年後、20年後のドナー」
インタビュー 大越 明子 さん 

「10年後、20年後のドナー」
インタビュー 大越 明子 さん 

「10年後、20年後のドナー」インタビュー 大越明子さん 

目次

~息子が運んだ「ありがとう」~

-----臓器提供後、最もうれしかったことはどのようなことでしたか。

息子の結婚と、孫の誕生です。後は、透析を受けていたころの厳密な食事作りから解放されたことです。

-----ご主人との関係は臓器提供前後で何か変わりましたか。

何も変わりません。

-----移植記念日のような、何かイベントはされているのですか。

特にしていません。結婚記念日とか、そのような記念日のお祝いはたくさんやっていますが、移植に関しては、特に何もしていないので、本当に忘れていました(笑)。

記念日


-----忘れるぐらいが一番いいのかもしれませんね。

また、そういう話は口にしない方がいいと思うのです。私の両親に、私がドナーになる話をした時、父からも、「『私があげたからどうのこうの』という話はするな。一生、絶対に、そういうことを言ってはいけない。」と言われました。
きっと主人も口に出して言わないだけで、心の中ではいろいろなことを思っていると思います。

-----気持ちはきちんと伝わっているということですね。

そうですね。いろいろと口に出して言う人ではないというのは、分かっていますしね。でも、手術が終わった次の日に、主人は息子に、「お母さんに『ありがとう』と言ってきて」と伝えているのです。私と主人は隣同士の部屋だったのですが、息子がメッセンジャーとなって、「ありがとう」のメッセージが届きました。自分では言いづらかったのですね(笑)。

-----臓器提供後、新たに始めたことや、打ち込んでいることはありますか。

透析を受けていたころは、「旅行先で透析をしてまで...」という感じで、旅行もしなかったのですが、移植後は、よく旅行をするようになりました。また、2人でサイクリングや散歩を楽しんでいます。 家族旅行


~臓器提供を検討している方へ~

-----臓器提供してよかったですか。

はい。主人が毎日、元気に会社に行く姿を見ることができて、本当に良かったです。出張も多いのですが、透析をしなくて良いので、思いっきり仕事をさせてあげることができて、私も幸せです。こんなことを言うのは少し語弊があるかもしれませんが、透析を受けながら長く暮らすよりも、(決して短くはないと思いますが、万が一短かったとしても)移植をして短く生きる方がいいなと思います。

-----臓器提供を検討している友人から相談されたら、提供を勧めますか。

はい、勧めます。やはり透析から離脱して自由な時間が得られ、皆で同じ食事が食べられるようになるというのは、本人にとっても、その家族にとっても非常に大きいと思います。そして、元気でいることができます。今は、他人が見ても、主人が移植者だとは絶対に分からないと思います。

-----現在、移植手術を控えている、または移植手術を検討しているレシピエントやドナーの方へメッセージをお願いします。

大越さん

私はドナーになって10年がたちますが、既にドナーであることを忘れていました。そのくらい、主人も私も体調が良く、普通の生活を送ることができています。
今の医療技術や薬は、私達夫婦が移植手術を受けたころよりも、さらに良くなっていると思いますので、もし、つらい透析や、厳しい食事制限をされている方がいらっしゃるのであれば、移植によってそれらから解放されると思います。移植を検討されている方は、是非一度、病院まで相談にいらしてください。

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☞ 【参考】
腎移植ライフ「腎提供後の生体腎ドナーの自己管理
ドクターコラム「生体腎ドナーの腎機能と健康
腎移植者インタビュー
生体腎ドナーインタビュー
透析患者インタビュー


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