ドクターインタビュー

日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第二病院
腎臓病総合医療センター 移植外科 部長

渡井 至彦 先生
日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第二病院
腎臓病総合医療センター 移植外科 部長

渡井 至彦 先生
渡井 至彦 <font size="4">先生</font>

目次

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Chapter 3: 名古屋第二病院 移植外科における腎移植医療について

-----名古屋第二病院 移植外科の特徴について教えてください。

渡井先生

当院の移植外科は、腎臓病総合医療センターの中の1つの部署で、センターの中には移植・内分泌外科の他に、腎臓内科、小児腎臓科、血液浄化療法センターがあります。
一般的に移植外科いうと、外科医しかいないと想像される人もいらっしゃると思いますが、当院の移植外科には現在、移植内科医が3人おります。外科医は6人おりますが、それぞれのバックグラウンドは、泌尿器科、消化器外科、肝胆膵外科となっており、さまざまな分野の専門医、指導医の資格を持った医師が集まっています。
もちろん医師だけでは医療が行えません。当科にはレシピエント移植コーディネーターが2人おり、加えて、薬剤部や組織適合性検査の検査技師、そして、栄養士、医療福祉に関するスペシャリストであるメディカルソーシャルワーカー、臨床心理士が1つのチームとなって移植医療を行っています。
対象となる患者さんは、小児から高齢者までの幅広い層の患者さんです。小児の患者さんに関しては、小児腎臓科で治療を行いながら、移植手術は移植外科で行っています。小児腎臓科に大変熱心な先生方がいらっしゃることと、我々移植外科が持つ移植手術の実績によって、他県からの小さなお子さんの手術依頼もあり、手術を行っています。
また、当院では、高齢者の移植や、心機能が低下していたり、透析期間が長く動脈硬化が進んでしまっているような患者さんの移植など、他施設では手術が困難な方々の移植手術も、術前検査をしっかりと行い、手術可能だと判断すれば積極的に行っています。

-----小児から高齢者まで非常に幅広い対象の患者さんに移植を行っているということですね。その他にも特徴的なことはありますか。

その他、献腎移植の待機者外来や、移植後の妊娠・出産外来、ドナー外来なども行っています。
献腎移植の待機者外来は週に2回実施しており、現在当院での献腎移植を登録している患者さん約500名を1年間で順番に診察し、移植に備えていただいています。妊娠・出産外来では、移植後に妊娠・出産を希望する人の相談を受け、実現するためのサポートを行っています。また、生体腎移植で一番大事なのは、ドナーの方に健康で長生きしていただくことですので、腎提供後のドナーの方をしっかりと生涯にわたって診ていく体制をとっています。

-----妊娠・出産外来を設置されているとのことですが、腎移植後は妊娠・出産できる可能性も出てくるのでしょうか。

透析患者さんの場合は妊孕(にんよう)率や出生率が低く、さまざまなリスクがありますので、原則的には妊娠は勧められませんが、腎移植後は、妊娠・出産できる可能性が大きくなります。ただし、何らかの原因によって移植腎機能が低下している人や、治療の難しい高血圧がある人に関しては、腎移植後でも妊娠は勧められません。
※妊娠すること

-----こちらでは、年間どのくらいの移植手術を行っているのですか。

移植手術件数は、2015年は104例でした。ここ数年の平均でいうと、年間80~100例の移植手術を行っています。小児の移植は、2015年は7例で、年々少しずつ増えています。膵腎同時移植に関しては、2015年は2例の移植を実施しました。当院ではこれまでに13例の膵臓移植を行っています。

-----こちらの移植外科を受診したい場合は、どうしたらいいですか。

当科の今井美登子レシピエント移植コーディネーターに直接、日中にお電話をいただき、腎移植について話を聞きたいという希望を伝えてください。または、腎臓内科や透析施設の主治医に、腎移植を希望していることをお伝えいただき、当院への紹介状を書いていただくという形でも受診できます。

-----こちらの移植外科ではすでにさまざまな体制が確立されているという印象ですが、今後、腎移植医療においてさらに取り組んでいきたいことはありますか。

多くの末期腎不全の患者さんに腎移植を安全に受けていただけるような技術を維持し続けること、そして、腎移植の成績は向上しており、患者さんとそのご家族に非常に明るい未来をもたらす治療だということを、すべての慢性腎臓病患者さんに知っていただけるような活動をしていきたいと思います。すでに少しずつではありますが、愛知県や、隣県の腎臓内科の先生のところに我々が伺い、現在の腎移植の成績や、どのような人が腎移植を行うことができるのか(かなりの人に腎移植の適応があること)などについてお話させていただいております。

-----最後に、この腎援隊サイトをご覧になっている読者に向けてメッセージをお願いします。


       最近の腎移植③(1:34)

 

末期腎不全の治療には、腎移植、血液透析、腹膜透析の3つがありますが、「腎移植は限られた人にしかできない治療だ」と間違った認識をお持ちの方が、一般の方の中にも、医療関係者の中にもまだまだたくさんいらっしゃいます。実際には、腎移植は皆さんが考えている以上に多くの方に適応となる治療です。まずは腎移植、血液透析、腹膜透析、それぞれの治療法について良く知っていただき、腎移植を希望される場合には、腎臓内科や一般内科の先生に紹介していただいて移植施設を受診してください。腎移植の成績や、ご自身の治療として可能なのかということを移植施設で確認していただきたいと思います。納得がいくまで情報を求め、諦めずに腎移植の可能性を探ってください。

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