主治医に聞いてみよう

監修:東北大学病院 腎・高血圧内科 講師・外来医長 長澤 将 先生

難病と診断され今後の仕事や生活に不安があるがどうしたら良いかわからない/短い診療時間の中でどう伝えればいいか悩む/気になることがあるけど主治医に聞いていいか分からず我慢してしまう

気になること、遠慮せずに
主治医に聞いてみませんか?

診察のとき、気になっていることがあっても、短い診察時間の中でどう伝えたらいいか分からず、
そのままにしてしまうことはありませんか?
あるいは、「これって先生に聞いてもいいのかな?」と迷ったことはありませんか?
実際に慢性腎臓病患者さんの声を集めてみると、そのような患者さんは少なくないことが分かります。

患者さんへのアンケート結果

腎援隊サイト上にて腎臓病患者さんを対象にアンケートを実施
(期間:2025年10月21日~12月2日)

Q

気になることがあるとき、医師や看護師に質問・相談していますか?

およそ半数の方が「質問・相談したことがない/できないこともある」と回答しています。
Q

医師や看護師に質問・相談ができない(したことがない)理由を教えてください。

およそ3割の方は「うまく質問・説明ができないから」という理由で、質問・相談ができないと回答しています。
また、医師に遠慮して質問・相談ができない場合もあるようです。

お医者さんにも
聞いてみました!

東北大学病院 腎・高血圧内科
講師・外来医長 長澤 将 先生

  • "こんなことを聞いてもいいのかな" と思うときこそ、実は大切なサインかもしれません。安心して声に出してください。
  • 感染予防のしかた、仕事や趣味の内容、医療費、旅行、家族計画など、病気にかかわることなら何を聞いても大丈夫です。一緒により良い方法を探していきましょう。
  • 「難病」と診断されて早々にお仕事を辞めてしまう方もおられますが、外来で治療を受けながらお仕事を続けている患者さんもたくさんいらっしゃいます。まずは落ち着いて、主治医に相談してみましょう。
  • "今の主治医とは話しにくい..." そのようなときは、他の医師にかかってみるのもいいと思います。治療には、主治医との相性もとても大切です。

過去にこんな質問もありました

予測の情報はありますか?また、それは何時間先までですか?
まず、絶対にダメという事はありません。腎臓の状態にもよりますが、計画的に準備を進めることで出産されている患者さんは多くいらっしゃいます。妊娠に向けて使用できるお薬への切り替えなども必要ですので、早い段階から希望を伝えていただくことがとても重要です。
ただし、一般論として、尿蛋白が多いほど、また、腎機能が悪いほど、妊娠・出産時のトラブルは増える傾向があり、出産後に腎機能が低下する場合も多くなります1)。その点も主治医によく確認しておきましょう。

<出典>
1) 日本腎臓学会 編 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023; 146

仕事が忙しく、残業や出張も多いのですが、今のペースで仕事を続けても大丈夫でしょうか?
外来通院をしながら第一線で働いている方はたくさんいらっしゃいます。腎臓病になったからといって、「仕事をやめる」必要はありません。ご相談の際に、仕事の内容や生活リズムをお伝えいただければ、それに合わせた服薬タイミングや生活上の注意点を一緒に考えることができます。
また、最近では、主治医と職場の人事総務や産業医が相談して、仕事や生活を支援してくれる場合もありますので、社内制度などを確認しながら、主治医とご相談されてみてはいかがでしょうか。
友人と旅行に行きたいのですが、食事や移動で気をつけることはありますか?
ぜひ楽しんできてください。旅行は良い気分転換になります。
ただし、旅先での食事の塩分や、移動中の脱水などには少し注意が必要な場合があります。また、滞在地に時差がある場合は、免疫抑制薬などの服薬時刻を調整する必要があります。ご相談の際、行き先や日程を教えていただければ、具体的な対策をアドバイスできます。
ジムに通っています。プロテインやサプリメントを飲んでも大丈夫ですか?
運動は大いに結構です。 普通の人の場合と同様に、怪我には十分注意して行ってください。
健康食品やサプリメントについては、腎臓に負担をかける成分が含まれている場合や、処方薬との飲み合わせが悪い場合があります。自己判断で飲み始める前に、商品名や成分を必ず教えてください。
パートナーとの性生活について、制限はありますか?
基本的には問題ありませんが、血圧の管理などが必要な場合もあります。性生活は、生活の質(QOL)や家族計画に関わる大切な要素です。必要な場合は、婦人科や泌尿器科にご紹介いたします。医師は身体の専門家ですので、恥ずかしがらずに相談していただいて大丈夫ですよ。

先生に伝えることの
事前準備チェックリスト

"限られた診察時間の中で、うまく話せるかどうか分からない..." そのようなときは、主治医に伝えたいことを整理しておくと、スムーズに相談ができます。以下のチェックリストを用いて、次回の診療に向けた事前準備をしてみましょう。

基本事項
  • ご家庭での血圧
  • 現在の体重
  • 飲みにくいお薬
  • お薬を飲み忘れた回数
相談事項
  • 体調について(気になる症状など)
    ※皮疹などの皮膚症状は、写真を撮っておきましょう。
  • ニュースなどで見た試してみたい治療法について
    ※記事の写真やスクリーンショットなどがあると判断しやすいです。
  • 試してみたい健康食品やサプリメントについて
  • お金に関わることについて(医療費や助成制度、難病受給者証など)
  • プライベートについて(旅行や家族計画など)

毎日病気のことを考えている必要はありませんが、診察の待ち時間などにこのリストを確認し、事前準備しておくと良いでしょう。
これらの情報は、あなたと医師が一緒に治療を考えるための大切な材料になります。症状だけでなく、生活面での疑問や希望も伝えることで、より自分に合った治療につながります。



この記事を見た人が読んでいるのは


病院検索 閉じる
トップへ
はい いいえ