今後、どのようになるのですか?
教授 猪阪 善隆 先生
2022.03.28 教えて!ドクター
薬剤師コラム
兵庫医科大学病院 薬剤部長 木村 健 先生
兵庫医科大学病院 薬剤部長 木村 健 先生
掲載日:2019/08/08
☞ 「病院を探そう!」兵庫医科大学病院のご紹介ページ
慢性腎臓病が進行すると多くの患者さんで貧血の症状がみられるようになります。CKDに伴った貧血の主な原因は腎性貧血です。
腎性貧血とは
腎臓にはさまざまな機能があり、その中の1つに、骨髄での赤血球の産生を促す造血ホルモン(エリスロポエチン)を作ることがあります。そのため、腎臓の機能が低下すると、十分量のエリスロポエチンが作られないことにより、赤血球の産生が減少して貧血(腎性貧血)になります。
貧血になると、体がだるい、疲れやすい、動悸、息切れ、めまいなどの症状が現れます。ところが、腎性貧血は徐々に進行するため自覚症状に乏しい場合があります。
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)は、体の中でエリスロポエチンと同じ働きをします。そのため、腎性貧血の治療薬として、ESAが第一選択薬となります。
ESAは腎機能の低下に伴い十分な量ではなくなったエリスロポエチンの分泌を補い、骨髄中で赤血球のもとになる細胞を刺激して、赤血球を増やすことで腎性貧血を改善する効果があります。
ESAには遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤と、長時間効果の持続する持続型ESAがあり、いずれも注射薬です。
ESAによる主な副作用とその症状を以下にまとめました 。このような症状に気づいたら、医師または薬剤師などの医療スタッフに相談しましょう。
血圧上昇
(症状)頭痛・頭重感、めまい など
☞ 「病院を探そう!」兵庫医科大学病院のご紹介ページ
<出典>
*1 Tsubakihara Y, Gejyo F, Nishi S, et al. High target hemoglobin with erythropoiesis‒stimulating agents has advantages
in the renal function of non‒dialysis chronic kidney disease patients. Ther Apher Dial 2012;16:529‒540
*2 Singh AK, et al. Correction of Anemia with Epoetin Alfa in Chronic Kidney Disease N Engl J Med 2006;355:2085‒2098
*3 日本透析医学会 2015年版 日本透析医学会 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン 日本透析医学会雑誌 2016;49:89-158
*4 KDIGO Clinical Practice Guideline for Anemia in Chronic Kidney Disease. Kidney Int 2012;2:299‒319
*5 Palmer SC, Navaneethan SD, Craig JC, et al. Meta‒analysis: erythropoiesis‒stimulating agents in patients with chronic
kidney disease. Ann Intern Med 2010;153:23‒33
2022.03.28 教えて!ドクター
2022.03.28 教えて!ドクター
2022.03.24 慢性腎臓病の基礎知識
2023.11.07 教えて!ドクター