教授 山縣 邦弘 先生
2023.04.01 教えて!ドクター
薬物療法、生活習慣改善、食事療法、運動療法などの保存療法を行います。
監修:増子記念病院 両角 國男 先生
慢性腎臓病(CKD)が進行して、いったん慢性腎不全になってしまうと、腎臓の状態は元に戻りません。そして、残された腎機能にさらに負担がかかるため、ますます悪化し、末期腎不全へと進行します。
しかし、悪化のスピードを遅らせることは可能です。そのための総合的な管理を、保存療法といいます。
保存療法は、残された腎機能(残存腎機能)を守るための治療と生活習慣の改善を行います。
具体的には、腎不全の原因となった病気(原疾患:糖尿病や腎炎など)と腎臓の状態を総合的に判断して、薬物療法、生活習慣の改善、食事療法(塩分や蛋白質、カリウム、適正なエネルギー摂取)、運動療法を組み合わせます。
また、高血圧や脂質異常症を合併していれば、その治療も行います。腎不全に伴う症状、例えば貧血や骨の異常、高カリウム血症、アシドーシスなどが起これば、それも治療します。
保存療法は、定期的に検査をし、治療の効果や病状の変化を確認しながら進めます。血圧と体重を定期的に測定し、記録を主治医に示すことが重要です。検査結果によっては、治療方針を変更する場合もあります。症状に何か変化があれば、主治医へ相談してください。
また、保存療法は、家族や周囲の協力も欠かせません。食事療法や服薬管理など、積極的に関わってもらいましょう。
☞【参考】
ご家庭で作れる美味しい腎臓病食「ごほうび腎臓病食を楽しもう!」
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