教授 山縣 邦弘 先生
2023.04.01 教えて!ドクター
腎臓の障害が慢性的に続いている状態のことをいいます。
監修:増子記念病院 両角 國男 先生
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)とは、腎臓の障害が慢性的に続いている状態のことをいいます。現在、患者さんは国内に1,330万人(成人の8人に1人)いるとされ(*)、新たな国民病といわれています。
CKDは、蛋白尿や血尿などが出ている、画像診断などで腎障害が見られる、腎機能が低下している、といった状態が3カ月以上続いたときに診断されます。
CKDの重症度は、GFR(eGFR)、原因となった疾患(原疾患)、蛋白尿(可能であればアルブミン尿)の有無から総合的に判断します。
糸球体腎炎や多発性嚢胞腎などの腎臓病は重要なCKDの原因です。一方、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかっていると、CKDを発症する可能性が高いといわれています。そのため、生活習慣病の原因となる肥満や運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスにも注意が必要です。また、腎臓は年齢とともに機能が低下します。そのため、高齢者ではCKDになる確率が増えます。
近年、CKDが軽症であっても、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる病気を招くことが分かってきました。腎臓そのものだけでなく、心臓や脳を守るためにも、定期的に検査をし、CKDの治療を早く始めることが大切です。それにより、治癒(ちゆ)もしくは悪化抑制の可能性が高くなります。
☞【参考】
アニメで知る!シリーズ「慢性腎臓病の進行を抑えよう!」
CKDのクイズに挑戦!「腎援隊検定」
データで見る!日本のCKDの"今"「数字で見るCKD!」
腎臓の病気「腎不全とは」
末期腎不全の治療法「腎代替療法とは」
<出典>
* 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023:1
2023.04.01 教えて!ドクター
2023.04.01 教えて!ドクター
2023.09.29 教えて!ドクター
2023.12.26