2016.12.22 透析のアニメ
☞ 「病院を探そう!」岡山済生会総合病院のご紹介ページ
Chapter 2: 腹膜透析を行う生活について
-----腹膜透析には、すぐに慣れましたか。
吉岡さん:
最初、夜間に機械が自動で透析液を交換してくれるAPDを試してみたのですが、寝ている間によくアラームが鳴って起こされました。機械の操作にも不安があったので、手動で透析液を交換するCAPDの方を選びました。私としてはCAPDの方が安心できました。
-----野中先生、APDではどのような場合にアラームが鳴りやすいですか。
野中先生:
お腹の中の透析液を体外に出すときに、うまく液が出てこないと機械が止まってアラームが鳴ります。寝ている間に体勢が変わってチューブが折れ曲がっていたり、お腹の中のチューブの口がたまたま上を向いてしまっていたりすることが原因です。アラームの頻度は調整できますし、慣れもあるとは思いますが、吉岡さんは決断が早いので(笑)、すぐにCAPDに決めましたね。
-----現在、透析液の出し入れは1日何回行っていますか。
吉岡さん:
1日4回です。朝6時頃にまず透析液を入れて、9時頃と16時頃に交換し、20時頃に排液して就寝しています。就寝中はお腹の中を空にしています。
-----透析液の交換は、すべてご自身で行っているのですか。
吉岡さん:
はい。以前は何か少しでもトラブルがあるとうろたえていましたが、いろいろと経験するうちに落ち着いて対処できるようになりました。腹膜透析を始めてから、2~3カ月くらいで透析液の交換には慣れました。今ではベテランです(笑)。
-----腹膜透析を始められて、体調はいかがですか。
吉岡さん:
体調は透析導入前と変わらず良いです。治療がとてもうまくいっているのだと思います。私としては、腹膜透析に何も不満はありません。食事制限も緩和されましたし、楽しい生活が送れています。
-----食事制限は、具体的にどのように緩和されましたか。
吉岡さん:
タンパク質や塩分の制限が緩和されました。もちろん引き続き注意が必要ですので、減塩醤油などを使って塩分摂取を控えめにする ようにしています。食は元気の元ですし、健康管理の上で一番大事だと思っていますので、気を遣って作っています。
-----食事は、ご自身で作られているのですか。
吉岡さん:
はい。私は出来合いのものが好きではないので、同居している孫の分も含めて私が作っています。
腹膜透析導入後は、食事制限が緩和されたおかげで友人との食事会にも参加できるようになりました。以前は制限が厳しくて食べられないものが多かったので、皆さんが楽しんでいるところに水を差すと思って遠慮していましたが、今は気兼ねなく参加しています。
-----順調に治療が続けられているようですね。
野中先生:
吉岡さんにお願いして、透析導入前の患者さんに透析中の生活についてお話ししていただくこともあります。腹膜透析をするかどうか悩んでいる方には、とても参考になると思います。
大脇看護師:
私たちからお話しするより、実際に腹膜透析をされている方からお話しいただく方が説得力もありますし、吉岡さんからお話しいただくと患者さんも元気がもらえます。患者さんの決断を後押ししてくださったこともありますね。
吉岡さん:
私自身の体験や実感していることをお伝えすることで、悩んでいらっしゃる方も視野が広がるのではと思います。
もし私が生まれ変わって、腹膜透析患者さんを担当する看護師になったら、患者さんの身になってお世話ができるので、素晴らしい看護師になれると思いますよ(笑)。
☞ 「病院を探そう!」岡山済生会総合病院のご紹介ページ
☞ 【参考】
腎移植者インタビュー
生体腎ドナーインタビュー
透析患者インタビュー