2016.12.22 透析のアニメ
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Chapter 3: 透析生活を明るく過ごすために
-----現在、日中はどのようにして過ごされていますか。
吉岡さん:
刺繍をほどこした衣類や小物などを作ることが私の生きがいです。生涯続けていきたいと思っています。
インタビュー当日にお持ちいただいた吉岡さんの作品
-----これらはすべて、吉岡さんご自身が作られたのですか!?
吉岡さん:
はい。テーマを決めて、デザイン、仕立て、刺繍まですべて自分で行います。今日着ているスーツも、若い頃に買った着物の生地を使って自分で仕立てました。
学校を卒業して働き出した頃、就業後に洋裁教室に通って製図などの基礎をひたすら勉強しました。着物の着付け教室を開いていたこともあります。また、「戸塚刺繍」を半世紀以上続けています。他の刺繍と違って、造りがとても凝っているところが魅力です。
これらの経験を活かして、自分の名前を付けたブランド「Ayako」の作品を作っています。
吉岡さんのブランド「Ayako」の作品
-----素晴らしいですね! 作った作品はどうされているのですか。
吉岡さん:
自宅にあるギャラリーやデパートで展示会を行っています。作品を通じて私の生きてきた過程を見て、元気が出たという方もいらっしゃるようで、今後も積極的に展示会を開催してほしいと言われています。
また、最近はたくさん作ってお友達に差し上げるようにもしています。自分の作品には誇りをもっており、世界に1つしかありませんので、ぜひ皆さんに使っていただきたいと思っています。私の作品を差し上げると、皆さんから感謝の言葉をいただけるので、それが自分の生きる力にもなっています。
-----作品作りにはどのくらいの時間をかけているのですか。
吉岡さん:
専用の部屋があり、そこに1日4~5時間はこもっています。その部屋にいるときは、ラジオを聴くこともなく、作品づくりに没頭したり、次の作品案を考えたりしています。自分にとってはまるで天国のような幸せな時間です。まだまだ作りたい作品がたくさんありますね。
作品作り以外の時間は、食事の支度に3時間くらいかかりますし、家事もありますので、毎日が忙しいです。
-----透析液を交換している間は、何をされているのですか。
吉岡さん:
私はスポーツ観戦が好きなので、テレビで相撲や野球などを観ています。手を動かす仕事が多い自分にとっては、唯一の休憩時間です。そのような点でも、腹膜透析は私にぴったりな治療法だと思います。
-----吉岡さんはとても若々しくて活動的ですが、その秘訣は何ですか。
吉岡さん:
まず、やりたいことがあることだと思います。また、多くの人たちとの付き合いも大切だと思います。私は若い人が好きなので(笑)、年齢が一回りも二回りも下の友達が多いです。そのような友達からも「吉岡さんが来てくれると、笑いが絶えないから良いね」と言っていただけます。
それから、私は孫と2人暮らしをしています。孫は酵素風呂とマッサージの仕事をしているので、たまに家でもマッサージをしてもらう一方で、私は食事を作ったり、家事をしたりと孫の世話をしています。その使命感が元気の源かもしれません。
マッサージのお仕事をされているお孫さん(右は酵素風呂)
-----最後に、これから透析を始められる患者さんたちにメッセージをいただけますか。
吉岡さん:
こちらは「窓」という作品です。 私が腹膜透析をするようになってから作ったものですが、「心の窓を開きましょう」というメッセージが込められています。
心の窓を開くためには、まず笑顔でいること。そして、「ありがとう」「こんにちは」の挨拶を欠かさずしていると違った世界が見えてくるものです。
透析が必要になった患者さんには、ものの見方を変えていただきたいです。そうしなければ人生が楽しくありませんから。このインタビューや私の作品を通じて、腎不全患者さんたちに何か少しでも与えられるものがあれば、私も88歳まで生きた甲斐があったと思えますね。
インタビューの直前に88歳の誕生日を迎えられた吉岡さん(右はお孫さん)
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☞ 【参考】
腎移植者インタビュー
生体腎ドナーインタビュー
透析患者インタビュー