生体腎移植者 山上隆さん(仮名)
生体腎移植者 山上隆さん(仮名)
2017.08.31 レシピエントインタビュー
ドクターコラム
岡山大学病院 泌尿器科 講師 荒木 元朗 先生
岡山大学病院 泌尿器科 講師 荒木 元朗 先生
掲載日:2018/07/26
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生体腎ドナーの手術と入院生活について解説します。
一般的に、ドナーさんは手術の1~2日前に入院し、術後7 ± 3日(*)で退院となります。傷が小さく痛みも少なく回復が早い内視鏡(カメラ、腹腔鏡とも呼ばれます)による手術が主流となっています。
(手術の方法や入院期間は、移植施設やドナーさんの状態によって異なる場合もあります)
手術の1~2日前に入院します。手術前日より腸を空っぽにするため下剤を使う施設もあります。それに伴い、前日より点滴を行う施設も有りますが、必須ではありません。
手術は全身麻酔で行います。術後の痛みのコントロールのため、硬膜外麻酔※を併用する施設もあります。
※ 硬膜外麻酔:脊髄(せきずい)の周りのすき間に麻酔薬を注入する局所麻酔の方法。
以前は側腹部を20~30cm皮膚切開する開放手術が行われていました(下図1A)。しかし、手術の進歩に伴い、ドナーさんの負担軽減を配慮し、現在では内視鏡(カメラ)による手術が主流となっています(下図1B)。
飲水、歩行は手術翌日から開始します。食事は手術翌日ないし2日後から開始します。ドレーンや尿道カテーテルは術後数日で抜去します。術後は7 ± 3日(*)で退院し、日常生活に戻ります。ウォーキング、自転車も可能ですが担当医に確認してください。「ゴルフはいつからできますか」とよく聞かれます。当院では、術後1ヶ月は待ってもらっていますが、あくまで目安で、これも担当医の判断次第でしょう。
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<出典>
*日本臨床腎移植学会・日本移植学会. 腎移植臨床登録集計報告(2022)移植 2022;57:199-219
2017.08.31 レシピエントインタビュー
2016.02.12 腎移植のドクターインタビュー
2016.08.10 腎移植の基本情報
2018.12.20 教えて!ドクター