腎移植者インタビュー

レシピエントインタビュー  生体腎移植者 山上隆さん(仮名)

レシピエントインタビュー  生体腎移植者 山上隆さん(仮名)
腎移植を受けられた方にお話をお聞きする、腎援隊「レシピエントインタビュー」第3回目は、6年ほど前に奥様がドナーとなり、生体腎移植を受けた山上隆さん(仮名)です。
山上さんは20歳の時に健康診断で腎機能検査の検査値異常を指摘されましたが、30歳くらいまでは特に自覚症状もなく、治療もない日常生活を送っていました。その後、クレアチニン値が上昇し始めたため食事療法を開始しましたが、35歳の時に腹膜透析導入、その5年後に生体腎移植を受けられました。
移植後、とても充実した毎日を過ごされている山上さんとドナーとなられた奥様、そして主治医である岡山大学病院 荒木元朗先生、レシピエント移植コーディネーターの有森千聖さんに、さまざまなお話をお伺いしました。

取材日:2017/05/17

目次

※このインタビューは、岡山大学病院 泌尿器科より候補となる方をご紹介いただき、ご本人様に応諾頂けた方を対象に実施しました。事前にご了承いただけた範囲で関連する情報を開示しております。記事の内容につきましては患者様から伺ったお話をそのまま掲載しておりますが、あくまで個人の経験と主観に基づくご意見・ご感想です。

移植経緯

Chapter1: 腹膜透析導入へ

-----まず、移植に至るまでの状況についてお聞かせください。腎機能は、いつ頃から悪化し始めたのですか。

山上さん
20歳の時に職場の健康診断で腎機能検査の検査値異常を指摘され、地元の病院に通い始めました。21歳の時には腎生検も受けましたが、「すぐに悪くなる状態ではない」と言われ、自覚症状もありませんでしたので深刻には考えていませんでした。その後、しばらくして定期的な通院はしなくなりましたが、25歳の時、結婚を期に今後のことを真剣に考えるようになり、通院を再開しました。

-----奥様は、ご結婚当時はご主人の病状についてどの程度知っていましたか。

奥様(ドナー)
病院でも血液検査をしてその結果を確認されるだけでしたし、主人を見ていても具合が悪い様子もありませんでしたので、病状についても詳しくは知りませんでした。

-----当時は食事療法などの保存療法は行っていたのですか。

山上さん
行っていませんでした。その後、30歳頃に体重の増加とともにクレアチニン値が3~4mg/dLに上昇し、主治医から「この値で止められるかどうかが勝負なので、真剣に食事制限をするように」と言われたため、食事療法を開始しました。

----- 食事療法は順調でしたか。

山上さん
食事療法を正しく理解していなかったせいか、エネルギー量のことを考えずにタンパク質をできるだけ取らないようにするなど、自己流で食事制限を続けてしまったため、31歳の時には栄養失調で入院せざるを得ない状態にまでなってしまいました。クレアチニン値も5mg/dLになり、主治医から「透析を視野に入れなければならない状態なので、シャントを作る準備をしましょう」と言われました。

-----その時は、どのくらいの期間入院したのですか。

山上さん
2カ月間くらいでした。入院中の管理によって、クレアチニン値も4mg/dLくらいまで下がり体調も安定したため、結局シャントは作らず、引き続き保存療法を続けることになりました。退院後はタンパク質調整食品などを中心とした正しい食事療法を行い、それから3年くらいは保存療法を続けることができました。

-----その後、いつ頃から再びクレアチニン値が上昇し始めたのですか。

山上さん
34歳の時に、徐々に上昇し始めました。私はアウトドアが大好きでよく山や川に出掛けてアウトドアスポーツをしていたのですが、腎機能が悪化し始めてからはクライミングを山歩きに変えたりして、より負荷の少ないスポーツを選ぶようにしていました。それでもスポーツ後の疲れがひどくなり始め、35歳の時に腹膜透析導入となりました。

①移植前

-----当時はなぜ腹膜透析を選んだのでしょうか。

山上さん
腹膜透析の説明を受けた際、治療を説明するビデオを観たときに、腹膜透析患者さんがツーリング(オートバイ)をしている映像があり、腹膜透析は血液透析よりも生活の自由度が高い印象を受けました。アウトドアが好きな私には合っている治療法だと思い、腹膜透析を選びました。

-----透析導入された時は、腎移植についてもご存知でしたか。

山上さん
テレビのニュースでも耳にしていましたが、あまり良いイメージを持っていませんでした。また、献腎移植希望の登録をしても順番が回ってくることはないと思っていたので、詳しく調べることもしませんでした。

-----なぜ腎移植にあまり良いイメージを持っていなかったのですか。

山上さん
当時はたばこを吸っていたので、病院の喫煙室で、患者さん同士でよくあるお互いの病気自慢をしていました(笑)。その会話の中で、腎移植してもすぐに駄目になってしまったらしいという話を聞くことがあり、移植について詳しくは知らないもののあまり良いイメージが無かったのです。

奥様
私も当時は主人から喫煙室話(笑)を聞くくらいでしたので、腎移植は主人や私には関係ないものだと思っていました。


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