免疫抑制薬

腎移植後に毎日服薬する免疫抑制薬について説明します。

免疫抑制薬

監修:九州大学大学院 臨床・腫瘍外科 岡部 安博 先生

腎移植に欠かせない「免疫抑制薬」
<免疫とは>
私たちの体には、侵入した異物を排除する防御システムが備わっています。ウイルスや細菌などが体内に侵入すると、白血球の働きによって、それらを「自分ではないもの=異物」と判断し、体から排除しようとします。この防御システムのことを「免疫」といいます。

免疫

<腎移植と拒絶反応>
腎移植は、他人から提供された腎臓を移植し、失われた腎機能を代替する治療です。一卵性双生児の兄弟・姉妹から提供された場合などのごく一部の例外を除き、他人から提供された腎臓は「自分ではないもの=異物」と判断され、移植を受けた人(移植者)の白血球によって攻撃されます。このような免疫の反応を「拒絶反応」といい、移植された腎臓(移植腎)が機能を失う原因になります。

拒絶反応

<免疫抑制薬の役割>
腎移植後は、拒絶反応を防ぐために「免疫抑制薬」を服用します。免疫抑制薬は、移植腎を長持ちさせるために欠かせない薬で、移植腎が機能している限り服用し続ける必要があります。

免疫抑制薬の効果

腎移植後に服用する免疫抑制薬にはさまざまな種類があり、それぞれ作用の仕組みが異なります。通常、何種類かの免疫抑制薬を組み合わせて服用します。
近年は免疫抑制薬が進歩し、移植した腎臓が機能している期間を表す「生着率」も、移植手術後に患者さんが生存している期間を表す「生存率」も、大きく向上しています。

☞ 参考:ドクターコラム「移植腎の生着率と患者生存率について
免疫抑制薬の服用にあたって大切なこと
<感染予防>
免疫抑制状態では、感染症にかかりやすく、かつ重症化しやすくなります。そのため、手洗いを基本とした感染予防を日ごろから心がける必要があります。

手洗い、うがい、マスク

<服薬についての理解と遵守>
適切な免疫状態を維持するためには、免疫抑制薬の血中濃度(血液中にくすりの有効成分がどの程度含まれているかを表すもの)を一定にしておく必要があります。そのため、免疫抑制薬は毎日決められた時間やタイミングに決められた量を確実に服用する必要があります。腎移植後の定期外来では免疫抑制薬の血中濃度測定を行い、必要に応じて服用量の調整などを行います。

服薬、採血

また、免疫抑制薬の血中濃度に影響を与える食べ物や薬がありますので、医師や薬剤師に確認の上、そのような食べ物や薬は取らないように注意する必要があります。

グレープフルーツ、セントジョーンズワート

移植腎を長持ちさせるためには、これらのことを十分に理解した上で、医師や薬剤師の指示に従って、免疫抑制薬をしっかりと服用することが大切です。

☞【参考】
腎移植ライフ「腎移植後の服薬 ~腎移植後の生活で知っておきたいこと ①~
ドクターコラム「腎移植で服用する免疫抑制薬


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