どうしたらいいですか?
教授 山縣 邦弘 先生
2023.04.01 教えて!ドクター
教えて!ドクター
掲載日:2024/4/24
血液検査項目の1つであるクレアチニン(Cr、CRE、Cre)は、血液中のクレアチニンの量を表します。クレアチニンは、筋肉を動かすためのエネルギーを使ったときに作られる老廃物で、血液を通じて腎臓でろ過され、尿として排泄されます。
☞ 慢性腎臓病の基礎知識「腎臓の機能」
クレアチニンでもある程度の腎機能が分かりますが、より正確に腎機能を評価するため、近年ではeGFR(イー・ジー・エフ・アール)が一般的に用いられています。「GFR」とは、腎臓の糸球体(しきゅうたい:Glomerular)が1分間にろ過する血液の量(Filtration Rate)のことで、腎機能そのものを表します。
前述のとおり、クレアチニンの値は筋肉量が多い人では高く、少ない人では低くなる傾向があります。それに伴って、eGFRも低くなったり、高くなったりするため、実際の腎機能を正確に反映していない可能性もあります。そのような場合、クレアチニンではなく、血液中のシスタチンCの検査値を用いたeGFRも参考にすると、より腎機能の判定精度が上がるとされています(*2)。
シスタチンCは全身の細胞から作られる物質で、シスタチンCの値は筋肉量の影響を受けません※。クレアチニンによるeGFRとシスタチンCによるeGFRの平均値は、それぞれの単独よりも正確に腎機能を反映する可能性が高いです(*2)。必要に応じて、このような腎機能の判定方法が用いられる場合もあります。
※ シスタチンCの値は、甲状腺機能、喫煙、炎症、脂肪量、妊娠、免疫抑制薬などの影響を受けます。
<出典>
*1 日本臨床検査医学会 編. 臨床検査のガイドライン JSLM 2021:18
*2 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2023:5
*3 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2023:3
2023.04.01 教えて!ドクター
2023.04.01 教えて!ドクター
2017.03.02 教えて!ドクター
2017.07.20(2024年3月改訂) 教えて!ドクター