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Q

慢性腎臓病を治療するためには
どのような病院を受診すればいいですか?

慢性腎臓病を治療するためには
どのような病院を受診すれば
いいですか?

回答いただいた先生
名古屋大学 大学院医学系研究科 病態内科学講座
腎臓内科学 教授 丸山 彰一 先生
名古屋大学 大学院医学系研究科 病態内科学講座
腎臓内科学 教授 丸山 彰一 先生
慢性腎臓病を治療するためには、どのような病院を受診すればいいですか?

掲載日:2017/07/20

A

慢性腎臓病(CKD)がある程度進行している場合は、腎臓専門医による診療を受けることをお勧めします。

日本腎臓学会が作成した「CKD診療ガイド2012」では、以下のいずれかに該当するCKDは、腎臓専門医による診療が必要としています(*1)

1)高度の蛋白尿(尿蛋白/Cr比0.50 g/gCr以上、または2+以上)
2)蛋白尿と血尿がともに陽性(1+以上)
3)GFR 50mL/分/1.73㎡未満
(40歳未満の若年者ではGFR 60mL/分/1.73㎡未満、腎機能の安定した70歳以上ではGFR 40mL/分/1.73㎡未満)

病院受診
これらに該当しない場合、例えば、蛋白尿や血尿がなく、腎機能の程度を示すeGFRが50 mL/分/1.73㎡以上のときは、CKDの原因となっている糖尿病や高血圧などの治療を受けているかかりつけの病院でCKDも診察してもらいましょう。

☞ご自身のクレアチニンの値がわかれば、こちらでeGFRの値を計算することができます。

上記1)~3)のいずれかが当てはまる場合、例えばすでにeGFRが50 mL/分/1.73㎡未満のときは、主治医から腎臓専門医を紹介してもらいましょう。
ただし、もしCKDが進行したときにみられる貧血やむくみなどの自覚症状がある場合は、上記の基準を満たしていなくても緊急性があるので、直接、腎臓専門医にかかることをお勧めします。
また、その後eGFRが30 mL/分/1.73m²未満になり、かつ、腎機能が低下し続けている場合には、将来的にどの腎代替療法を選ぶか検討を始めることが望ましいとされています(*2)

腎代替療法

相談
検討の際には、腎代替療法の相談のための専門外来(療法選択外来※1)を受診することをお勧めします。経験豊富なスタッフが、十分な時間をとって相談に乗ってくれます。
通院している病院に療法選択外来がない場合や、他に相談したい病院がある場合は、主治医に他院への紹介状を書いてもらうと良いでしょう※2
※1 病院によって、外来の名称は異なります。
※2 療法選択外来を受診する際には、その病院の腎臓内科にかかることなど、受診のための条件がある場合があります。

☞ 参考:療法選択外来のインタビュー記事

腎移植・透析をお考えの方はこちらへ ⇓ ⇓

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受診病院の例

<出典>
*1 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012:40
*2 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012:44


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