ドクターインタビュー

東邦大学医療センター 大森病院
腎センター 教授
東邦大学医療センター 大森病院 腎センター 教授

相川 厚 先生

相川 厚 <font size="4">先生</font>

東邦大学医療センター 大森病院 腎センターは、蛋白尿、血尿の診断から腎疾患の治療、末期腎不全における血液透析、腹膜透析、腎移植までを、「内科」「外科」「小児科」の合同スタッフで診療する、日本で唯一の医療機関です。患者さんは年齢や腎臓病の状態によって診療科を変わる必要がないため、同じ医師のもとで治療を受け続けることができます。
長年、慢性腎臓病治療に携わってこられた東邦大学医療センター 大森病院 腎センター 教授の相川厚先生に、末期腎不全治療における腎代替療法の選択と最近の腎移植医療について、そして東邦大学医療センター 大森病院 腎センターにおける腎臓病治療への取組みについてお聞きしました。

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取材日:2015/11/30

目次

Chapter 1: 末期腎不全における腎代替療法選択について

-----慢性腎臓病(CKD)が進行し、末期腎不全となってしまった場合には、腎代替療法として、透析療法又は腎移植を選ぶことになりますが、どのくらいの腎機能になったら腎代替療法を検討すればいいのでしょうか。

末期腎不全における腎代替療法の選択については、一般的にはCKDステージの4(GFR15~29mL/分/1.73m²)の段階で検討し始めます。少なくともCKDステージ3b(GFR30~44mL/分/1.73m²)のときには食事療法を開始していなければなりませんので、そういった意味でも、ステージ3もしくは4で検討を開始した方がいいと思います。

-----腎代替療法を選択する際には、どのような基準で選べばいいのでしょうか。

相川先生

選択の基準は患者さんによって異なります。当院では、末期腎不全における腎代替療法の選択外来を看護師主体で行っていますので、年齢、病状など、さまざまな点を踏まえて3つの治療法を説明し、ご本人に選択していただいています。 透析に関しては、PD(腹膜透析)ファースト※という言葉がありますが、最近は最初に腹膜透析を選ぶ人も多くなっています。以前はご自身で管理ができる人が腹膜透析を選択していましたが、最近は、ご高齢の方でもご家族の中にサポートしていただける方がいらっしゃる場合は、まず腹膜透析から始めるという人も増えています。また、血液透析も、夜間透析や自宅透析など、透析を行う時間や場所などの選択肢が広がっています。
腎移植に関しては、レシピエントとして適応があり、特に若くて、仕事をしながら腎不全の治療を行っている人には、親族でドナーになっていただける方がいらっしゃる場合には、最初に生体腎移植を勧めるべきだと思います。
※PDファースト:透析治療を腹膜透析(PD)から始めて、PDのメリットを十分に生かした後に、血液透析に移行する治療選択。

-----3つの治療法について詳しく知りたい場合は、どうすればいいのでしょうか。

インターネットにもさまざまな情報が載っておりますが、当院のように腎代替療法の選択外来を積極的に行っている施設や、慢性腎臓病、末期腎不全の治療法に詳しい腎臓内科の先生にご相談されるのが一番いいと思います。血液透析、腹膜透析、腎移植をすべて行っている施設は、間違いなく腎代替療法選択外来を行っていると思いますので、相談先に迷う場合は、そのような施設を選ぶのがいいかもしれません。

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