慢性腎臓病の原因疾患「IgA腎症」
慢性腎臓病の原因疾患「IgA腎症」
監修:大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授 猪阪 善隆 先生
監修:大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学
教授 猪阪 善隆 先生
2023.03.24 慢性腎臓病の基礎知識
ドクターインタビュー
進歩し続ける慢性腎臓病治療
大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授
猪阪 善隆 先生
進歩し続ける慢性腎臓病治療
大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授
猪阪 善隆 先生
Chapter 3:病院のかかり方のアドバイス
何よりもまず、"早期発見・早期治療"
----- 慢性腎臓病の治療法は今後さらなる改善が期待できますが、現時点では、病気を治す上でどのような対処法が最善なのですか。
やはり、できるだけ早く適切な治療を始めることです。これは、どれだけ治療法が進歩しても同じです。
慢性腎臓病になると将来透析になるという怖いイメージを持っている方も多いのですが、決してそうではなく、一生透析を回避することも十分可能です。病気がある程度進行してしまうと、治療をしても元の状態には戻りませんが、早めに治療を始めれば、病気の進行を抑えることができ、治癒(ちゆ)する場合もあります。また、早い段階であれば、生活習慣を改善するだけでも十分に効果があります。
患者さんや一般の方々には、慢性腎臓病は決して治らない病気ではないことを知ってもらい、必要以上に怖がらず、積極的な早期発見・早期治療を心掛けていただきたいです。
----- そのためには、まずは健診などを定期的に受けることが大切ですね。
そうですね。そして、腎機能の検査値を毎回チェックしていただきたいです。
血糖やコレステロールの検査値は気にしていても、血清クレアチニン(Cr、CRE)やeGFR(イー・ジー・エフ・アール)、蛋白尿(たんぱくにょう)といった検査値はあまり気にしていない、という方も多いと思います。しかし、それらは腎臓の状態を示す非常に重要な検査値です。
もし、これらの検査値が異常だった場合は、迷わず一度病院を受診していただきたいです。面倒に感じたり、何か言われるのが怖かったりして受診していない方もおられると思いますが、前述のとおり、早めの治療が一番大切ですので、そこはぜひお願いしたいです。
----- どのような病院を受診するのがいいのでしょうか。
まずは近隣の内科の病院で診ていただくのがいいと思います。
特に蛋白尿が出ている場合は、詳しい検査をしてもらってください。健診などで行われる蛋白尿の検査は、陰性(-)や陽性(+)で評価する簡易的なもので(尿蛋白定性)、尿の濃さによっても結果が変わります。詳しく調べるときは、尿中の蛋白の量を測り(尿蛋白定量)、尿中のクレアチニン濃度との比率(尿蛋白/クレアチニン比)を見ます。
検査や診察の結果、より詳しい検査や専門的な治療が必要と判断されると、腎臓内科のある病院を紹介されるというのが一般的な流れになります。
気になるときは、一度"腎臓専門医"の受診を
----- どのような状態だと腎臓内科の受診が必要になるのですか。
一般的に、腎機能の低下速度が速い場合や、急に腎機能が低下したという場合は、腎臓内科に紹介されます。また、蛋白尿が続いている場合や、蛋白尿/クレアチニン比で0.3程度を超えるような場合も、一度腎臓内科を受診していただきたいです。患者さんの方でも検査結果を意識して、気になるときは主治医の先生に腎臓内科を受診する必要があるかどうか確認していただきたいです。
----- 腎臓内科を受診する場合、どのような病院を受診すればいいのでしょうか。
1つの目安としては、腎臓専門医がいることです。日本腎臓学会のホームページでも腎臓専門医名簿を公開していますので、お住まいの近くで腎臓専門医がいる病院を探してみるといいと思います。
また、慢性腎臓病の原因疾患にもよるのですが、腎生検や超音波・CTなどの画像検査が必要な場合もあります。そのような検査が行えるかどうか、年間どれくらい検査を行っているかなども、病院のホームページで調べて参考にするといいと思います。
主治医の先生が選んで勧めてくれる場合もありますが、今後継続して通院する可能性が高いので、患者さん自身でもしっかり調べた上で病院を決めていただきたいです。
----- 長く付き合っていく病院になるでしょうし、やはり病院選びは大切ですね。
ただ、腎臓専門医がいる病院はどこにでもあるわけではありませんし、立地的に頻繁に通うのが難しい場合もあると思います。腎臓専門医でなければ治療が難しい場合もありますが、そうでなければ、通常はかかりつけ医で診てもらい、腎臓専門医を数カ月に1回程度受診する方法もあります。
前述したチーム医療にも通じますが、複数の主治医が専門性を活かして1人の患者さんを見守っていくのが望ましいです。高齢患者さんも増えていますし、今後はかかりつけ医の診療をベースに、オンライン診療なども活用して、患者さんの負担がより少ない医療を目指していく必要があると思います。
----- 最後に、慢性腎臓病を治療中の患者さんにメッセージをいただけますか。
慢性腎臓病は、近年の治療法の進歩によって、治療成績が大きく改善しつつあると思います。一方で、高齢化社会を迎え、糖尿病や高血圧などを合併し、慢性腎臓病が進行しやすい患者さんも増えています。それらの合併症の多くは、生活習慣が大きく影響しています。処方されたお薬をきちんと服用するのはもちろんですが、ご自身の生活習慣をしっかりと見直し、自らが治療に積極的に参加して、自分自身を治療するという意識を持っていただければと思います。
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監修:大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授 猪阪 善隆 先生
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