教授 山縣 邦弘 先生
2023.04.01 教えて!ドクター
教えて!ドクター
掲載日:2023/09/29
蛋白尿にはさまざまな原因がありますが、病気が原因である場合と、病気ではないものが原因である場合があります。
蛋白尿とは、尿中に基準値以上のタンパク質が排泄されている状態のことです。腎臓は、血液から余分な水分や老廃物をろ過して尿を作ります。その際、血液中のタンパク質はほとんどろ過されないので、尿にはほとんどタンパク質が混じりません。
以下のような場合、一時的に蛋白尿が出ることがあります。
● 肉などのタンパク質を大量に摂取したとき
● 激しい運動の後
● 体の水分が不足しているとき
● 発熱時
● 精神的ストレスがあるとき
● 射精後(精子が混じっている)
● 月経中(おりものが混じっている)
● 妊娠中
※ただし、妊娠高血圧症候群の場合は注意が必要です
● 体位性蛋白尿
(立ったり、腰を曲げたりするときだけ蛋白尿が出る)
など
蛋白尿は、原因が病気か病気でないかにかかわらず、尿の見た目に異常はなく、痛みも伴わない場合が多いです。しかし、病気が原因であった場合、放置しておくと回復できない状態まで進行してしまう可能性もあります。
蛋白尿が出たら、早めに病気の治療を始めるためにも、必ず再検査を受けて原因をつきとめましょう。
☞ 参考:教えて!ドクター「蛋白尿が出ていると言われました。どうしたらいいですか?」
<出典>
* 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023:1
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