2016.04.07 透析の基本情報
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在宅血液透析は、自宅に透析機器を設置し、医師の管理および指導のもと、患者さん自身が、原則として介助者と協力して、自宅で血液透析を行う方法です。
在宅血液透析のメリットは、大きくは3つあります。
1つ目は、患者さんの生活スタイルに合わせて好きな時間に自宅で透析を行うことができることです。それによって、家族や友人と過ごす時間や、仕事などの自分の時間を増やすことができます。
2つ目は、透析時間や回数を、医師と相談のもと自由に決定できることです。施設透析と違って頻回透析や長時間透析など、十分な透析を行えます。時間をかけて十分な透析を行うことにより、尿毒症が解消され体調が良くなります。
3つ目は、時間をかけてゆったりとした透析を行うことにより、透析中の合併症のリスクを減らすことができますし、飲水や食事の制限も緩和されます。
デメリットとしては、患者さん自身やご家族などの介助者が、透析の知識や技術の習得をする必要があることや、自宅への透析機器設置に関わる初期費用や維持費用がかかること、医療スタッフが不在のため、緊急時の対応が遅れる危険性があることなどがあげられます。
■在宅血液透析の実際の流れ
在宅血液透析では、患者さん自身が、原則として介助者と協力して、透析装置の管理・操作、穿刺、透析中の状態管理、返血等を行います。
在宅血液透析開始当初は、2週に1回は透析施設を受診し、その後は、治療の安全を確保するため、最低でも月に1回は透析施設を受診します。また、シャントのトラブルや、体調の変化、感染症などが起こった場合は臨時の通院が必要になります。
透析が十分行われているかを確認するために、1カ月に1回程度、検体の採取を行います。また透析機器の点検を6カ月から1年に1回程度行います。
■在宅血液透析患者さんの日常生活パターン
在宅血液透析は、患者さんの都合に合わせて好きな時間に透析を行うことができるため、通院透析に比べてQOL(生活の質)が高く、社会復帰をする上でも有利な治療法です。
在宅血液透析のスケジュールは、研修時や外来受診時に医師と患者さんが相談して決めますが、具体的には、週4回 各4~8時間や、週5~6日 各2~4時間というスケジュールで行う場合が多くなっています。また1回当たりの透析時間を長くとるために、睡眠時間を利用するオーバーナイト透析も行われています。
以下に、日中に仕事をしながら在宅血液透析を行う場合の生活パターンをご紹介します。
<週5回、1回4時間の透析を行う場合>
<週6回、1回3時間の透析を行う場合>
<週4回、就寝中に8時間の透析を行う場合>
※ 在宅血液透析におけるオーバーナイト透析は、夜間に起こるトラブルのリスクもあるため、実施においては各施設の許可が必要です。また、オーバーナイト透析を許可していない施設もあります。
このように、在宅血液透析では、日中の時間を自由に使いながら、週当たりの透析時間を増やし、十分な透析を行うことが可能です。
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