
2019.09.19 腎移植の基本情報
教えて!ドクター
掲載日:2018/12/13
腎移植を受けることは可能です。
2021年に腎移植を受けた患者さん(1,348人※)のうち、糖尿病を合併していた患者さんは約30%(403人)でした(*1)。
2021年の日本における腎移植数1,773件(*1)のうち、詳細データの登録があった患者さんの数。
糖尿病は腎不全の原因にもなりますが、糖尿病と腎不全は、いずれも心臓や血管に負担をかけ、大事な血管が傷ついたり、心臓の働きが悪くなったりします。そのため、糖尿病を合併する腎不全患者さんは、心筋梗塞や脳卒中などの心血管合併症を起こすリスクが高くなります。このリスクをできるだけ少なくするためにも、糖尿病患者さんの末期腎不全治療として、腎移植も選択肢の1つとなります。
また、糖尿病を合併する腎不全患者さんが透析導入になると、終末糖化産物(AGEs)※の産生が促進され、AGEsが心血管合併症のリスクをさらに高くすると言われています。そのため、糖尿病患者さんには、透析導入前に腎移植を行う先行的腎移植を検討する場合もあります(*2)。
※ 終末糖化産物:タンパク質と糖が加熱されてできた物質。強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされている。
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*1 日本臨床腎移植学会・日本移植学会 腎移植臨床登録集計報告(2022) 移植 2022;57:199-219
*2 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023:175-176
*3 日本臓器移植ネットワーク NEWS LETTER Vol.26,2022:7
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