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糖尿病ですが
腎移植を受けられますか?

糖尿病ですが
腎移植を受けられますか?

回答いただいた先生
香川大学医学部 腎臓内科 診療科長 祖父江 理 先生
香川大学医学部 腎臓内科 診療科長 祖父江 理 先生
糖尿病ですが、腎移植を受けられますか?

掲載日:2018/12/13

A

腎移植を受けることは可能です。
2016年に腎移植を受けた患者さん(1,486人)のうち、糖尿病を合併していた患者さんは約20%(276人)でした(*1)
※ 2016年の日本における腎移植数1,648件(*1)のうち、詳細データの登録があった患者さんの数。

糖尿病は腎不全の原因にもなりますが、糖尿病と腎不全は、いずれも心臓や血管に負担をかけ、大事な血管が傷ついたり、心臓の働きが悪くなったりします。そのため、糖尿病を合併する腎不全患者さんは、心筋梗塞や脳卒中などの心血管合併症を起こすリスクが高くなります。このリスクをできるだけ少なくするためにも、糖尿病患者さんの末期腎不全治療として、腎移植も選択肢の1つとなります。

また、糖尿病を合併する腎不全患者さんが透析導入になると、終末糖化産物(AGEs)の産生が促進され、AGEsが心血管合併症のリスクをさらに高くすると言われています。そのため、糖尿病患者さんには、透析導入前に腎移植を行う先行的腎移植を検討する場合もあります。 (*2)
※ 終末糖化産物:タンパク質と糖が加熱されてできた物質。強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされている。

腎移植のメリット

ただし、腎移植によって糖尿病が治るわけではありません。
また、腎移植後は免疫抑制薬を服用しますが、免疫抑制薬の服用によって糖尿病が悪化する場合もあります。そのため、糖尿病の悪化によって再び腎不全となる可能性もあります。

腎移植後に糖尿病を悪化させないためには、移植前にしっかりと減量すること、移植後は適切なカロリー摂取と運動を心がけることが大切です。

☞ 参考:ドクターコラム「糖尿病患者さんの腎移植
食事と運動

なお、主に1型糖尿病の方は、脳死の方から提供された膵臓と腎臓の同時移植(膵腎同時移植)が受けられる場合もあります。膵腎同時移植を希望する場合(主に1型糖尿病の場合)、移植希望登録をしてから実際に移植を受けるまでの待機期間は平均で約3年6カ月です(*3)
※ 糖尿病には大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は、血糖を下げるホルモン(インスリン)を作る膵臓のβ細胞が壊されて、インスリンがほとんど出なくなるために血糖値が上昇する病気です。糖尿病の大部分を占める2型糖尿病は、生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が上昇する病気です。

腎移植・透析をお考えの方はこちらへ ⇓ ⇓

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☞ 「病院を探そう!」香川大学医学部附属病院のご紹介ページ

*1 日本臨床腎移植学会・日本移植学会 腎移植臨床登録集計報告(2018) 移植 2018;53:89-108
*2 日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018:93
*3 日本臓器移植ネットワーク NEWS LETTER 2017;21:6


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