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Q

慢性腎臓病(CKD)ですが
どの程度の血圧なら大丈夫ですか?

慢性腎臓病(CKD)ですが
どの程度の血圧なら大丈夫ですか?

回答いただいた先生
徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野 教授 脇野 修 先生
徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野
教授 脇野 修 先生
血圧測定

掲載日:2024/5/17

A

慢性腎臓病(CKD)と高血圧には密接な関係があり、慢性腎臓病が高血圧を引き起こす一方で、高血圧は慢性腎臓病を悪化させます。この悪循環を断ち切って慢性腎臓病の進行を抑えるために、血圧の管理はとても大切です。また、慢性腎臓病および高血圧は、ともに心筋梗塞や脳卒中の引き金になるので、それらの合併症を予防するためにも、血圧の管理は重要です。

CKDと高血圧の関係


慢性腎臓病患者さんの血圧の目標としては、日本高血圧学会が定めた以下のような基準があります(*1)

CKD患者の降圧目標


「家庭血圧」とは、自宅で測定した場合の血圧のことで、「診察室血圧」とは、診察室で測定した場合の血圧のことです。一般的には、緊張などにより、診察室血圧の方が家庭血圧よりも高く出るため、目標は診察室血圧の方が家庭血圧よりも高くなっています。

家庭血圧の目標も意識しましょう

上記とは逆に、自宅で血圧を測ると高いのに、診察室で測ると正常値が出るような状態を「仮面高血圧」といいます。慢性腎臓病患者さんの約3割が仮面高血圧という研究結果もあり(*2)、診察室血圧だけしか測定していないと、高血圧を見逃してしまう危険性があります。
また、診察室血圧よりも家庭血圧の方が、将来的な心筋梗塞や脳卒中の発症、死亡などのリスクと関連が強いという報告もあり(*3)、家庭血圧の管理がこれらのリスク回避につながる可能性もあります。
患者さんには、家庭血圧の目標も意識して、血圧を管理していただきたいです。

血圧測定

家庭血圧を記録し、主治医の指導の下で適切な血圧管理を

血圧は低いほど良いというわけではありません。血圧が低すぎると、立ちくらみやめまいなどの低血圧の症状を起こすことがあります。人によっては、低血圧を起こさないように、血圧の目標を上げる必要がある場合もあります。特に75歳以上の高齢者で低血圧の症状が認められる場合は、診察室血圧の目標を 150/90 mmHg未満に上げます(*4)。そのため、家庭血圧や低血圧の症状を記録し、それらのデータを主治医に見てもらうことはとても大切です。
また、脳や心臓の合併症などの有無によっても、血圧の目標は変わってきます。
主治医の指導の下で、適切な血圧管理を行いましょう。

血圧記録と受診

<出典>
*1 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編. 高血圧治療ガイドライン2019:53
*2 Garimella PS, Uhlig K. Current issues in the management and monitoring of hypertension in chronic kidney disease. Curr Opin Nephrol Hypertens 2013;22:599-606
*3 Cohen DL, et al. Home blood pressure monitoring in CKD. Am J Kidney Dis 2014;63:835-842
*4 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023:25


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