食事療法を知る

食事を美味しく食べる工夫

増子記念病院 管理栄養士 朝倉 洋平 先生

食事を美味しく食べる工夫

掲載日:2016/06/08

“腎臓病食を、美味しく楽しく食べるコツ”

日々の生活の中では、自宅で作った腎臓病食を食べるときもあれば、付き合いやレジャーなどで外食をすることもあるでしょう。食事を美味しく楽しく、かつ、栄養量にも注意しながら食べるためには、ちょっとしたコツが必要となります。小さな工夫を積み重ねて、大きな効果に繋げましょう。

1)タンパク質の制限 ~使用部位、料理方法を工夫し、ボリュームアップ~

・ 使用部位、料理方法で満足感を得ましょう ホイル焼き
タンパク質を制限するために、どうしても肉や魚、卵、大豆製品、乳製品類などの量を減らす必要があります。メインとなる食材の使用量が少ないと、それだけで淋しく感じてしまうものです。肉や魚類であれば、脂身の多い部位(脂質が多く、タンパク質は少ない)を選ぶことで、使用量が増えボリュームはアップします。また、肉や魚類を薄切りにして料理する野菜炒め、たくさんの野菜類で肉、魚類を覆うホイル焼きなど、切り方や野菜類のボリュームによって、満足感は向上します。


2)食塩の制限 ~汁物や漬物は残して塩分カット~

① 麺メニュー(うどん、そば、ラーメンなど)の汁(スープ)は残しましょう ざるうどん、そば
麺メニューは汁だけでなく、麺そのものにも塩分が含まれています。(一般的には、そば、スパゲティーは麺自体に塩分は含みません)そのため、汁だけでも、可能な限り残す必要があります。麺メニューに含まれる塩分はとても多く、1食で6~8gの塩分を含みます。汁を残したとしても、約半分の塩分は摂取してしまうことになるため、注意が必要です。
「ざるそば、ざるうどん」などは、手元のおつゆに付けて食べることができるため、塩分を調整しやすい麺メニューとなります。


② 食塩を含まない調味料で、味にアクセントを付けましょう サラダ
しょうゆやソース、みそ、塩の代わりに、香辛料、香味野菜、果汁を利用すると、味にアクセントがつき、減塩でも食べやすくなります。
 ・香辛料 :こしょう、わさび、からし、カレー粉、山椒、唐辛子など
 ・香味野菜:みつば、ねぎ、みょうが、しそ、しょうが、春菊など
 ・香草  :バジル、ルッコラ、ローズマリーなど
 ・果汁  :レモン、ライム、ゆずなど
既製品のドレッシングは少量とし、ビネガー(酢)やオリーブオイルなどを追加するのも良いでしょう。


③ 調味料は「かける」のではなく「つける」 とんかつ
調味料は、直接「かける」のではなく、決まった量を小皿に注いでから「つけて」食べるようにしましょう。かけ過ぎを防止できるとともに、摂取した塩分量を把握しやすくなります。特に揚げ物の衣は、ソースやしょうゆなどを吸収しやすいので、ついついかけ過ぎてしまうことがあります。また、揚げ物は、レモンやゆずを絞って、あっさりといただくのもひとつの方法です。


④ 外食時(出来合い食品も含む)に注意したいこと 和食
外食では、一般的に味付け(塩味)が濃い傾向にあります。特に、頻繁に外食を利用する方は注意が必要となります。外食の頻度が多い方は、丼物や麺類のような1品物は避け、○○定食のように、品数が多く、ご自身で食べる種類や量を調整できるメニューを選ぶようにしましょう。汁物は具のみを頂き、漬物、佃煮は控えると良いでしょう。
外食の頻度が少ない方(1回/週程度)は、外食を1つのリフレッシュととらえ、食事療法を長く続けるための息抜きとすることも重要です。外食は、その利用頻度によって注意する点を柔軟にとらえることが大切であり、1日の制限範囲内での息抜きが理想的です。


3)適正なエネルギーの確保 ~脂質で手軽にエネルギーアップ~

・ 出来上がった料理に追加するだけで、エネルギーアップ! オリーブオイル、マヨネーズ
サラダなどにオリーブオイルやマヨネーズを添えると、大きくエネルギーがアップします。また、パンなどにマーガリンやバターを多めに塗るのも効果的です。マヨネーズやバター、マーガリンは、比較的塩分の少ない食品のため、減塩を行っていく上では利用しやすく、エネルギーアップにも繋がります。


4)食べ方の工夫 ~息抜きとしての、ごほうび食!~

・ 食事療法を長く続けるために・・・ 食事風景
慢性腎臓病の食事療法は、体調を維持しながら、厳しい食事制限を長く継続する必要があります。そのためには、定期的に(1回/週程度)、1日の制限範囲内で「ごほうび食」を取り入れることをお勧めします。 上手にリフレッシュしながら、毎日の食事を美味しく、楽しく食べることができるよう工夫し、無理のない食事療法を実践していきましょう。


※食事療法は患者さんの状態によって、その内容は大きく変わります。
 必ず主治医や管理栄養士の指導を受けながら、実践してください。


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