教授 山縣 邦弘 先生
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ドクターコラム
新潟大学 保健管理センター 教授・所長 鈴木 芳樹 先生
新潟大学 保健管理センター 教授・所長 鈴木 芳樹 先生
掲載日:2016/08/25
糖尿病腎症(以下、「腎症」)は、糖尿病の経過中に発症する、糖尿病網膜症と糖尿病神経障害を含めた3大慢性合併症の一つで、慢性腎臓病の中でも患者さんの多い重要な疾患です。腎症の発症から進行は、以下のような経過が典型的です。
腎機能がかなり低下しないと、自覚症状は通常は現れません。よくある症状は、足のむくみや体のだるさなどですが、慢性腎不全の状態になると血中のミネラルの異常や腎性貧血なども出現してきます。さらに、腎機能が低下すると、体内の毒素の蓄積による尿毒症(頭痛、吐き気、食欲不振など)が出現します。
腎症を早期に発見し、適切な治療を行うためには、尿中アルブミンと血中クレアチニンを測定することが必要です。尿中アルブミンが30mg/gCr以上の場合を微量アルブミン尿といい、早期腎症(腎症2期)と診断します。これがさらに増加して、300mg/gCr以上になると顕性アルブミン尿(持続性蛋白尿)といい、顕性腎症(腎症3期)と診断します。腎症3期で腎機能が低下し始めることが多く、血中クレアチニンから計算する腎機能である推定糸球体濾過量(eGFR)が30mL/分/1.73m²未満になった場合を、腎不全(腎症4期)と診断します。
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