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Q

慢性腎臓病(CKD)を治療するためには
どのような病院を受診すればいいですか?

慢性腎臓病(CKD)を
治療するためには
どのような病院を受診すれば
いいですか?

回答いただいた先生
名古屋大学 大学院医学系研究科 病態内科学講座
腎臓内科学 教授 丸山 彰一 先生
名古屋大学 大学院医学系研究科 病態内科学講座
腎臓内科学 教授 丸山 彰一 先生
慢性腎臓病を治療するためには、どのような病院を受診すればいいですか?

掲載日:2017/07/20(2024年3月改訂)

A

慢性腎臓病(CKD)は、病気の進行度によって、どのような病院で治療を受けたらいいかが異なります。病気の進行度は、主に尿検査で調べる蛋白尿(たんぱくにょう)の程度と、血液検査で調べる腎機能の程度(eGFR)によって判断されます。

☞ eGFRは、血清クレアチニンの値が分かれば、eGFR早見表eGFR計算ツールを使ってご自身で確認できます。

まずは近隣の内科を受診しましょう

健康診断などの結果が以下のいずれかに該当する場合、まずはお近くの内科などに受診することをお勧めします(*1)

病院受診
1)蛋白尿が(1+)以上

2)蛋白尿が2年連続で(±)

3)eGFRが 45 mL/分/1.73㎡ 未満
(40歳未満の場合は60 未満)

病院受診

必要に応じて腎臓専門医の治療を受けましょう

CKDが進行すると、腎臓専門医による治療が必要になります。かかりつけ 医から腎臓専門医・専門医療機関へのCKD患者さんの紹介は、以下のような基準で行われます(*2)。糖尿病に関連する慢性腎臓病(糖尿病関連腎臓病)ではアルブミン尿と腎機能、それ以外の慢性腎臓病では蛋白尿と腎機能で評価します。

紹介基準

例えば、糖尿病関連腎臓病以外のCKDで、蛋白尿が(±)、かつ、eGFRが45~59だった場合、腎臓専門医や専門医療機関への紹介が推奨されています。eGFRが44以下だった場合は、蛋白尿の程度にかかわらず紹介が推奨されています。
もし、ご自身が紹介基準に当てはまり、まだ腎臓専門医や専門医療機関で治療を受けていないようであれば、一度かかりつけ医に相談してみるといいでしょう。

ただし、以下のような場合は、緊急性があるので、かかりつけ医から速やかに腎臓専門医や専門医療機関を紹介してもらうか、直接腎臓専門医にかかることをお勧めします。

3カ月以内に腎機能(eGFR)が30%以上低下した場合(*2)

CKDが進行したときにみられる貧血やむくみなどの自覚症状がある場合

なお、一般的には、かかりつけ医と腎臓専門医の両方で慢性腎臓病の治療を行っていく「ふたり主治医制」が推奨されます。

ふたり主治医制

eGFR30未満で低下が続くようなら腎代替療法が相談できる病院へ

eGFRが30 mL/分/1.73m²未満になり、かつ、腎機能が低下し続けている場合には、将来的にどの腎代替療法を選ぶか検討を始めることが望ましいとされています(*3)

腎代替療法

検討の際には、腎代替療法の相談のための専門外来(療法選択外来※1)を受診することをお勧めします。経験豊富なスタッフが、十分な時間をとって相談に乗ってくれます。
通院している病院に療法選択外来がない場合や、他に相談したい病院がある場合は、主治医に他院への紹介状を書いてもらうと良いでしょう※2

※1 病院によって、外来の名称は異なります。
※2 療法選択外来を受診する際には、その病院の腎臓内科にかかることなど、受診のための条件がある場合があります。

受診病院の例

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<出典>
*1 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023 東京医学社 2023:16
*2 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023 東京医学社 2023:17-19
*3 日本腎臓学会 他. 腎代替療法選択ガイド2020 ライフサイエンス出版 2020:15


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