腎・膠原病・内分泌内科学分野 教授 田中 哲洋 先生
2023.09.29 教えて!ドクター
教えて!ドクター
掲載日:2024/11/1
慢性腎臓病(CKD)は、早期に治療を開始することで、治癒(ちゆ)もしくは悪化抑制の可能性が高くなります。そのためには、何よりもまず、病院をしっかり受診し、医師やスタッフの指示に従って治療を継続する必要があります。患者さんご自身だけでCKDを治療することは、きわめて困難です。近年はCKDの治療薬の開発も進んでいます。もし、まだどこの病院にもかかっていなければ、お近くの「内科」や「一般内科」を掲げているクリニックを受診しましょう。
CKDがすでに進行している場合や、速く進行することが予想される場合などは、「腎臓内科」で治療を受けることが望ましいです。
"腎臓の病気"の治療というと、「泌尿器科」を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。泌尿器科も腎臓の病気を専門としていますが、主に腎がんや腎結石といった病気の外科的な治療(手術)が専門であり、CKDの専門的な診療は腎臓内科が担当となります。
腎臓内科は総合病院にあることが多く、基本的にはかかりつけ医からの紹介が必要ですが、腎臓内科を専門としているクリニックもあります。
現状、腎臓内科の受診が必要ない場合でも、CKDが進行していないかどうか、定期的に検査で確認する必要があります。血液検査はもちろん、尿検査も最低でも1年に1回は行うことが望ましいです(*2)。しばらく尿検査を行っていない場合は、主治医に検査をお願いしてみるといいでしょう。
なお、尿蛋白を(-)(±)(1+)などで判定する「試験紙法」は、尿の濃度(濃縮尿や希釈尿)の影響を強く受けます。そのため、CKDの重症度や治療効果を正確に判定するためには、尿蛋白の具体的な量を調べる「尿蛋白定量」が望ましいとされています(*2)。
<出典>
*1 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023 東京医学社 2023:17-19
*2 日本腎臓学会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023 東京医学社 2023:8-10
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