教授 山縣 邦弘 先生
2023.04.01 教えて!ドクター
薬物療法、生活習慣改善、食事療法、運動療法などの保存療法を行います。
監修:神戸大学医学部附属病院 腎臓内科 腎・血液浄化センター 西 愼一 先生
慢性腎臓病(CKD)の発症や進行には、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が深く関わっています。生活習慣病の原因には、喫煙、過度の飲酒、運動不足、肥満、ストレスなどがあり、これらはCKDの危険因子と共通しています。高血圧や糖尿病を治療するだけでなく、生活習慣を改善することで、CKDの発症および進行を予防することができます。
CKDの発症や進行を抑えるためには、まず、以下のような生活習慣を改善することが大切です。
1.喫煙
喫煙はCKDの発症や進行に関与していると考えられます。また、心血管系疾患のリスクを増加させますので、禁煙するようにしましょう。
2.飲酒
少量から中等量のアルコール摂取(エタノール10~20g/日程度:ビール 中ビン1本、日本酒 1合程度、ウイスキー ダブル1杯、ワイン グラス2杯)は尿蛋白を減らし、中等量以上のアルコール摂取(エタノール20~30g/日以上)は、蛋白尿を発症させる可能性があることが報告されています(*)。適度の飲酒は差支えないですが、過度の飲酒には注意しましょう。
3.運動不足
CKD患者さんが一律に、安静や運動制限を行う必要はありません。運動不足は高血圧や糖尿病などの生活習慣病を悪化させます。ご自身の血圧や腎機能に合わせて、適度な運動を行いましょう。ただし、実際の運動量については、主治医に相談の上、個々の運動能力や活動性、体の状態などを十分評価してもらって決めましょう。
また、脱水は腎臓に悪影響を及ぼしますので、適度な水分補給に努めましょう。
4.過労、睡眠不足などの不規則な生活
過労やストレスはCKDの大敵です。不規則な生活や過労を避け、睡眠や休息を十分に取りましょう。
☞【参考】
ご家庭で作れる美味しい腎臓病食「ごほうび腎臓病食を楽しもう!」
末期腎不全の治療法「腎代替療法とは」
<出典>
* Yamagata K, et al. Risk factors for chronic kidney disease in a community-based population: a 10-year follow-up study Kidney Int 2007;71:159-166
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