2018.12.20 教えて!ドクター
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Chapter 3: 腎移植のための適格性検査から移植手術、移植後のフォローアップについて
-----患者さんが腎移植を希望した場合、その後の流れはどのようになりますか。
稲熊先生:
末期腎不全になる頃(CKDステージ5:eGFR 15 未満)に、腎臓内科から臓器移植科に患者さんを紹介し、しばらくは両方の診療科で診ていきます。移植を受ける患者さん(レシピエント)と腎提供する方(生体腎ドナー)は、それぞれ適格性確認のためのさまざまな検査を受けますが、レシピエントの検査は腎臓内科が主導で、ドナーの検査は臓器移植科が主導で行っています。
剣持先生:
レシピエントの検査は腎臓内科主導で行いますが、検査のためにレシピエントが入院するのは臓器移植科の病棟です。その病棟には移植手術を受けた患者さんが入院しているので、同室になった移植経験者から話が聞けたり、知り合いになれたりする良い機会になっています。
また、病棟の看護師にとってもメリットがあり、適格性確認の段階から患者さんに関わることで、術後の看護の質も高くなっていると思います。
-----レシピエントとドナーの適格性検査が終わり、腎移植手術が決定すると、その後はどのような流れになりますか。
剣持先生:
手術が決定してからは、基本的に臓器移植科で対応します。当院では、レシピエントは通常、移植手術の10日前に入院します。手術日は水曜日なので、入院日は前の週の月曜日です。血液型不適合※で移植を受ける場合は、そのための免疫抑制薬の投与と血漿交換を行うので、2週間前に入院します。血漿交換は、腎臓内科にサポートしていただいています。
ドナーは手術の2日前に入院します。
※ 血液型不適合:レシピエントとドナーの血液型が、輸血ができない組み合わせのこと。
☞ 腎移植の基礎知識「ABO血液型不適合移植」
手術が終わった後、レシピエントは約1カ月間入院します。
ドナーの入院期間は5日ですので、水曜日に手術を受け、翌週の月曜日には退院します。
-----退院後のレシピエントのフォローアップはどのように行っていますか。
剣持先生:
主に臓器移植科で行いますが、血圧のコントロールが必要な場合などは腎臓内科にも一緒にフォローアップしてもらっています。
稲熊先生:
腎移植を受けても、健常者と完全に同等の腎機能になるわけではないので、移植者は基本的には慢性腎臓病です。ですから、腎代替療法選択前の慢性腎臓病患者さん同様に、必要に応じて腎臓内科でも診察を行っていきます。
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