生体腎ドナー 大城瑠美さん
生体腎移植者 大城正重さん
生体腎ドナー 大城瑠美さん
生体腎移植者 大城正重さん
2019.12.12 ドナーインタビュー
腎移植手術を受けるまでの一般的な流れについて説明します。
監修:戸田中央総合病院 移植外科 部長 尾本 和也 先生
生体腎移植は、親族※から2つの腎臓のうちの1つを提供してもらう治療法です。ここでは、生体腎移植の説明を受けるところから手術入院までの一般的な流れについて説明します。
(移植手術までの流れは、移植施設によって異なる場合もあります。)
※ レシピエント(腎移植を受ける人)の6親等以内の血族、配偶者、および3親等以内の姻族。
生体腎移植を検討するときは、まず腎移植を行っている病院(移植施設)を受診し、詳しい説明を受けます。移植施設は、慢性腎臓病の治療を受けている主治医から紹介してもらうか、ご自身で調べて受診したい移植施設があれば、主治医に相談して紹介状を書いてもらうのが良いでしょう。
☞ 腎移植の相談ができる全国の病院を紹介「病院を探そう!」
生体腎移植においてドナーになれるのは、原則として、レシピエント(腎移植を受ける人)の親族(6親等以内の血族か、配偶者または3親等以内の姻族)で、本人が自発的に腎提供を希望していることが前提です。
☞ 腎代替療法の基礎知識「腎代替療法選択の条件(生体腎ドナーになれる親族)」
生体腎移植を行うには、レシピエントおよびドナーが、それぞれの適応基準を満たしていなければなりません。そのため、レシピエントとドナーは、適格性を確認するための各種の検査を受けます。
☞ 腎代替療法の基礎知識「腎代替療法選択の条件(レシピエントの適応基準)(生体腎ドナーの適応基準)」
【 主な適格性検査の項目 】
・クロスマッチ検査※
・血液検査(血算、生化学、各種ウイルス抗体など)
・尿検査
・レントゲン
・心機能検査(心電図、心臓エコー、心筋シンチなど)
・肺機能検査
・CT
・MRI
・腹部超音波検査
など
※クロスマッチ検査:ドナーの腎臓を移植したときに非常に強い拒絶反応を起こさないか事前に調べる検査。レシピエント、ドナー、それぞれの血液を採取して調べます。
適格性検査の項目は、移植施設やレシピエント・ドナーの状態によっても異なります。また、レシピエントとドナーで異なる検査項目もあります。
移植施設での検討の結果、腎移植が可能と判断されると、その上で改めてレシピエントとドナーの腎移植の意志が確認されます。両者が腎移植を希望すれば、手術に向けて具体的に準備を進めていきます。
なお、一度は腎移植をしようと決めたものの、あとで意思が変わった場合でも、手術直前まで腎移植を取り止めることができます。
移植手術の日程は、腎移植をすることが決定してから、一般的に数週間後から数カ月後に設定されます。入院時期は、ドナーは手術の1~3日前、レシピエントは、血液型不適合移植の場合は手術の1~2週間前、血液型適合移植の場合は手術の約1週間前が一般的です(移植施設やレシピエント・ドナーの状況によっても異なります)。
☞ 腎移植の基礎知識「腎移植手術について(生体腎移植の入退院スケジュール)」
レシピエントは、移植手術後は免疫抑制薬を服用するため、ウイルスを弱毒化したワクチン(生ワクチン)は原則的に接種できなくなります。そのため、麻しん(はしか)、風しん、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)に過去一度もかかったことがなく、ウイルスに対する抗体※がないレシピエントは、あらかじめこれらの感染症のワクチンを接種しておきます。また、虫歯や歯周病の治療も手術前にすませておく必要があります。
これらが全て完了してから手術日を決定します。
※ 抗体:体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除するように働くタンパク質。
⇒ 腎移植の基礎知識「腎移植手術について」
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<出典>
* 日本臨床腎移植学会・日本移植学会. 腎移植臨床登録集計報告(2022) 移植 2022;57:199-219
2019.12.12 ドナーインタビュー
2019.12.12 レシピエントインタビュー
2018.10.18 腎移植のドクターコラム
2017.01.19 腎移植ライフ