開催レポート

C3腎症患者さん・ご家族向けワークショップ

ディスカッション
ディスカッション

C3腎症は希少疾患であるため、信頼できる情報にアクセスすることが難しく、また患者さん同士が情報交換できる機会も限られているのが現状です。

そこで、2025年12月20日(土)にノバルティス ファーマ株式会社主催で、C3腎症患者さんやそのご家族を対象としたワークショップが開催され、日々の悩みや治療への想いなどを分かち合いました。
当日は、日本腎臓学会の難病班(*) 研究代表者である猪阪善隆先生(大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学 教授)をお招きし、ご講演の他、参加者からのご質問・ご相談にも応じていただきました。
また、海外の患者団体CompCureの代表を務める Marianne Silkjær Nielsen氏から寄せられたビデオメッセージも紹介され、参加者からは「とても勇気づけられた」という声も聞かれました。

以下、ワークショップの内容の一部をご紹介します。

*厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患政策研究事業 難治性腎障害に関する調査研究

C3腎症患者さん同士の情報交換

参加者の皆さんで、これまでの経緯や、現在の治療状況などについて情報交換を行いました。

Aさんご夫妻(患者さんと奥様)
7年前、23歳の時にC3腎症と診断されました。最初、会社の健康診断で尿たんぱく血尿を指摘されましたが、自覚症状がまったくなかったので、何かの間違いだろうと思っていました。その後、クリニックや病院での検査を経て、半年後にC3腎症と診断されました。担当していただいた腎臓内科の先生もC3腎症の患者さんに出会ったのは初めてとのことでした。
今は寛解状態になり、お薬も飲んでいません。
最近、腎援隊サイトを知り、情報が揃っていてとても助かっています。特に、C3腎症患者さんのインタビュー記事が参考になりました。

Bさん(患者さんのお母様)
現在小学4年生の娘がC3腎症です。小学1年生の時に学校検尿で血尿を指摘され、3年ほど経過を見ていたのですが、他の検査値も悪化してきたため、腎生検を行った結果、本年4月にC3腎症と診断されました。現在、血尿はあるものの、たんぱく尿は出ておらず、すぐに本格的な治療が必要な状況ではありませんが、早期からの対処が重要ということで、血圧を下げるお薬だけ飲んで様子を見ています。
病気についてはインターネットでたくさん調べました。以前は検索しても難しい論文ばかりが表示されましたが、ある日「C3腎症」を検索した時に最初に表示された「腎援隊」を見て、とても読みやすく心強いサイトだと感じました。患者さんの体験談基礎知識などをとにかく読み漁りました。

Cさん(患者さんのお母様)
現在23歳の娘がC3腎症です。娘は2歳の頃から血尿が続き、5歳で腎生検を受けました。娘の父親(ご主人)と叔母も腎不全を患っているので、家系的なものもあったのかもしれません。6歳の時に主治医の先生からお薬での積極的な治療を勧められたのですが、娘がまだ小さかったので、できるだけお薬を使わずに治療したいと思い、他の病院も受診してみることにしました。その病院では、まだ積極的な治療は必要ないとの見解だったので、転院して診ていただくことにしました。その後、12歳の時にC3腎症と診断されましたが、現在もその病院で診ていただいています。
現在、血尿だけはありますが、お薬の服用などは行わず、半年に1回程度の定期検診で様子を見ています。

Dさんご夫妻(患者さんのご両親)
現在19歳の娘がC3腎症です。小学6年生の時に学校検尿でたんぱく尿と血尿を指摘され、その後C3腎症と診断されました。知らない病気でしたし、当時は治療の選択肢もなかったので、主治医の先生を信じて治療を進めていただきました。小児科の先生でしたので、子どもにも分かるようにやさしく説明してくれたおかげで、本人に当事者意識が芽生えたように感じています。
今は主治医の先生と相談しながら治療を続けています。

Eさん(男性の患者さん)
1年前、64歳の時にC3腎症と診断され、治療を開始しました。C3腎症の治療については自分でもインターネットで調べてみましたが、希少疾患なので情報は多くありませんでした。ですから、私自身の治療実績も今後同じ病気の患者さんの役に立つのではないかと思いながら、現在治療を続けています。

質疑応答

Q. C3腎症は、急激に発症することはありますか?

Eさん:私がC3腎症を発症した時は、かなり突然でした。2週間前までは、eGFRが80くらい、クレアチニンも0.9くらいで、腎機能に特に異常はありませんでした。しかし、ある日急に尿が出なくなり、体重も10kgくらい増えたので、調べてもらったところ、肺と心臓に水が貯まっているとのことでした。そして、腎生検を受けた結果、C3腎症と診断されました。C3腎症は緩やかに進行するイメージがありますが、このように短期間で急激にC3腎症が発症することはあるのでしょうか?

猪阪先生:血液中のたんぱくには、血管内に水分を引き込むはたらきがあります。しかし、そのたんぱくが尿中に多く排出されて血液中のたんぱくが少なくなると、血管内に水分を引き込む力が弱くなります。その結果、血管外に水分が留まりやすくなり、むくみが生じたり、肺に水分が溜まったりします。また、血管内が脱水状態になるので、腎臓に流れる血液の量も減り、尿を十分に作ることができなくなります。
Eさんのおっしゃるとおり、C3腎症は緩やかに進行する場合もありますが、非常に多くのたんぱくが尿中に排出された場合、急激に状態が悪化する可能性もあります。

Q. C3腎症は、医療費助成の対象になりますか?

Aさん:主人が7年前にC3腎症の診断を受けた時、主治医の先生から医療費助成の申請を勧められたのですが、助成の条件であるネフローゼに当てはまらないということで、助成対象として認定されませんでした。医療費が高額であることも、治療に積極的になれない原因の1つになっています。医療費助成を受ける方法はないのでしょうか?

猪阪先生:以前は医療費助成の条件が厳しかったのですが、最近は条件が緩和され、ネフローゼでなくても助成を受けられるようになっているはずです。主治医などにご確認いただければと思います。

☞ 慢性腎臓病にかかわる医療費助成制度について

最後に~猪阪先生からのお言葉

猪阪先生

皆さんからさまざまなご意見を伺い、日本腎臓学会としても取り組むべき課題が分かりましたので、大変参考になりました。
医師は疾患や治療については知識がありますが、実際の患者さんの生活については分からない点も多々あります。ですから、情報が少ない希少疾患の患者さんやそのご家族同士がこのように情報交換できたことは、非常に意義があったのではないかと思います。
C3腎症は、現在治療法の選択肢が広がっています。患者さんやそのご家族の皆さんには、ご自身の生活やこれからの人生に適した治療法を選んでいただきたいと思います。

猪阪先生


腎援隊では、今後もC3腎症患者さんやそのご家族のために、さまざまな情報を提供していきます。新たなコンテンツを掲載した際には、メールマガジンでお知らせしています。よろしければ、メルマガ会員にぜひご登録ください。

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