慢性腎臓病患者インタビュー

C3腎症患者さんの体験談

C3腎症患者さんの体験談

C3腎症患者 Aさん

目次

Chapter 3: 高3の夏、学校や塾の協力で入院中も受験勉強を継続

C3腎症の診断がつくと、そのまま入院を続けて、約2ヵ月にわたって治療を受けました。私はこのとき17歳。高校3年の夏で、何よりも不安だったのは大学受験のことでした。勉強はどうすればいいのか。そもそも翌年に受験ができるのだろうか。長く付き合っていく病気にもかかわらず目先の受験のことで頭がいっぱいで、それ以上先のことは一切考えられず、この頃は精神的にかなりつらい状態でした。通っていた高校や塾に事情を話したところ、友人や講師の協力が得られ、入院中も勉強を続けることができました。こちらの状況を理解して可能な限りの対応をしてもらえたので、とても助かりました。

担当の医師も、とても親身になってくださいました。たびたび病室まで来て話をしてくださいましたし、問題集を見てアドバイスを下さることもありました。すぐに私はこの先生をとても信頼するようになりました。

勉強

Chapter 4: 日常生活や医療機関の受診には制約や不便も

退院後は、日常生活を送る上でいろいろな制約がありました。具体的には、塩分やタンパク質の摂取制限、運動制限、重いものを持たないようにすること、感染症対策として人混みを避けることなどです。高校ではこうした制約を考慮してもらい、満員電車を避けるために登校時間を30分遅らせてもらったほか、階段の上り下りをしなくて済むように、校内のエレベーターを特別に使わせてもらっていました。大学に進学してからは、受けたかった授業と通院のスケジュールが重なってしまい、主治医に相談しなければならないことがありました。

一番きつかったのは食事制限です。母親は塩分とタンパク質が少なく、量の多い料理を作ってくれましたが、10代の食べ盛りの時期に食事制限がかかってしまうのはつらいことでした。食事制限は大学2、3年の頃まで続きました。お酒を飲めないので、周りが飲んでいるのがうらやましかったです。一人暮らしもしてみたかったのですが、当時はかなり厳格な食事制限が必要だという治療方針だったので、一人では難しいとの判断で諦めざるをえませんでした。

貧血など、外出に支障をきたす不調が生じることもありました。いつ起こるか分からないので常に不安はありましたが、あまり他人には言いたくなかったので、友人など家族以外の人には伝えずに自分で対処していました。不調が生じて先生に連絡すると、いつもすぐに対応してくださったのはありがたいことでした。こうしたことで先生への信頼は高まっていきました。

担当の先生は、これまで何度か替わりましたが、最近は同じ先生に診てもらっています。先生が替わっても、信頼関係はきちんと築けてきました。

他の医療機関を受診する際には少し手間がかかることがあります。一度、担当の先生に連絡した上で、一般のクリニックや病院に行き、お薬手帳を見せて事情を説明するようにしています。C3腎症の診断を受けてからは感染予防に気をつけているので、風邪を引いて受診が必要になったことはほぼありませんが、歯科治療で困ったことが何度かあります。服用している薬の関係で、通常の虫歯治療や抜歯ができないのです。近隣のクリニックでは対応できないこともあり、親知らずの治療のときは、結局、担当の先生が所属している病院の歯科で治療を受けました。事前に1ヵ月ほど薬の調整と体調の観察が必要になるのも、通常より大変な点だと思います。

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