腎代替療法の相談方法

腎代替療法の相談方法

~いつ、誰に、どのようして相談するか

監修:静岡県立総合病院 副院長 腎臓内科部長 森 典子 先生

腎代替療法はいつ頃から相談するのがいいのか

腎代替療法を受けるための実際の準備は、腎機能の指標であるeGFRが15mL/min/1.73m²以下になり、尿毒症の症状が現れるころ(末期腎不全の状態)に始めますが(参考:腎代替療法選択のタイミング、腎代替療法の相談と、将来的にどの治療を選ぶかの検討は、その前の段階から始めておきます。具体的には、CKDステージG4(eGFRが15~29 mL/min/1.73m²)となり、かつ、腎機能が低下し続けているような状況であれば、腎代替療法の相談・検討を始めることが勧められています(*)
☞ご自身のクレアチニンの値がわかれば、こちらでeGFRの値を計算することができます。

選択を焦る男性
ただし、CKDステージG4の段階では、まだほとんど自覚症状がありません。そのため、CKDステージG4になっても腎代替療法を相談・検討しないままにしてしまう方が少なくありません。その後、病状が進んで自覚症状が現れたときには、既に末期腎不全になってしまっていることも多くあります。そうなってから相談を始めると、短期間で腎代替療法を選ぶ必要があったり、選択肢が限られていたりする場合があります。

ご自身にとって最適な腎代替療法を選ぶためには、それぞれの治療法について早いうちに十分に理解を深め、ご自身で考えたり、ご家族と話し合ったりするための時間が必要です。そのため、前述のような比較的早い段階から腎代替療法について相談・検討することが望ましいとされています。
また、早い段階から相談・検討を行うことによって、治療の選択肢が広がる可能性もあります。
腎代替療法は誰に相談するか
医師への相談
腎代替療法は、まずは主治医に相談してみましょう。主治医自らが詳しく相談に応じてくれる場合もありますし、より専門的な診療科や病院を紹介してくれる場合もあります。
ご自身が相談してみたい病院が具体的にあれば、主治医に紹介状を書いてもらって受診する方法もあります。 病院によっては、腎代替療法の相談のための専門外来(療法選択外来)を設けているところもあります。
※病院によって、外来の名称は異なります。
※療法選択外来を受診する際には、その病院の腎臓内科にかかることなど、受診のための条件がある場合があります。

☞参考:動画体験シリーズ「自分に合った治療法を見つけよう~療法選択外来の実際~
腎代替療法はどのように相談するか
腎代替療法を選ぶ上での判断材料を整理しておきましょう
腎代替療法を選ぶ上での判断材料としては、まず「医学的な判断材料」があります。

<医学的な判断材料>
・年齢
・慢性腎臓病の原因疾患
・合併している疾患
・身体症状(尿毒症症状など)
・視力

 など

医学的な判断材料は、腎代替療法の相談に応じる医師が、主治医からの紹介状やカルテから入手します。また、必要に応じて新たに検査を行う場合もあります。医師や担当のスタッフは、これらの情報から、患者さんが選択できる治療法、患者さんに勧められる治療法を判断していきます。

その上で、医師や担当スタッフが、患者さんの現在の生活や将来の希望などについていろいろとお聞きします。これらの事柄も治療を選択する上で、大変重要な判断材料になるので、医師や担当のスタッフに正確に伝えられるよう、ご自身で事前にできるだけ整理しておきましょう。
※病院や患者さんの状態によって、お聞きする内容は異なります。

<患者さんの生活に関わる判断材料>
・日々の生活パターン
・生活活動度(日常的にどの程度の活動をしているか)
・食事内容
・仕事内容
・趣味
・希望する治療選択後の生活(やっていきたいこと、やらなければいけないこと)
・家族構成
・治療に対する家族のサポート力

 など

生活面での判断材料

特に「希望する治療選択後の生活」は、重要な判断材料です。仕事や家庭、社会における役割など、これからの自分の生活で何を一番大切にしたいのかをよく考えておくといいでしょう。
もちろん、相談の中でご自身の考えが改めて整理されていったり、考えが変わったりすることもあります。その際には、都度、医師や担当のスタッフにご自身の考えをお伝えしましょう。

ご家族に同席をお願いしましょう
家族で受診
腎代替療法は、いずれの治療法もご家族の協力・理解が重要になるので、腎代替療法はご家族と一緒に相談・検討することが大切です。そのため、病院での相談にはご家族にもできるだけ同席してもらうのが望ましいです。配偶者や両親、兄弟・姉妹など、ご家族を伴って病院に相談に行けるように、事前にお願いをして予定を調整してもらいましょう。
その他、相談にあたっての留意点
何度でも相談することができます
どの腎代替療法を選択するかは、相談時にその場ですぐに決める必要はありません。実際に腎代替療法が必要になるまでの間は、何度でも納得がいくまで医師や担当のスタッフに相談することができます。

積極的な情報収集が大切です
腎代替療法を最終的に決めるのは、患者さんご自身です。十分に納得して最適な治療法を選ぶためには、疑問に思ったこと、わからないことは何でも遠慮せずに聞くことも大切です。

治療法は途中で変更することができます
3療法の相補性
腎代替療法は、一度選んだら一生変えられないということではありません。適応条件を満たしていれば、他の治療法に途中で変更することもできます。腹膜透析から始めて血液透析に移行したり、透析療法を続けている途中で腎移植を受けたりすることもできます。将来を見据えて治療計画をたてることも、最適な治療法を選ぶための一つの方法です。
また、既に治療中であっても、他の治療法について興味があれば、改めて腎代替療法の相談をすることもできます。

腎代替療法の相談のポイント

☞【参考】
腎移植・腹膜透析・血液透析…どうやって治療法を選ぶ?「腎代替療法 私の選び方
動画体験シリーズ「自分にあった治療法を見つけよう~療法選択外来の実際

<出典>
* 日本腎臓学会 CKD診療ガイドライン2012:44


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