松尾裕子さん
松尾裕子さん
2018.10.11 3療法経験者インタビュー
透析患者インタビュー
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Chapter 3:透析導入を控えている方々へ
-----透析生活を15年間経験してきた長屋さんが、導入当時の自分に声をかけるとしたら、何と言ってあげたいですか。
長屋さん:
「思っているほど、透析は悪いものではないよ」と言ってあげたいですね(笑)。
「多少我慢が必要なことはあるけれど、それらとうまく付き合うことができれば、自分の時間を持ちながら安定して続けられる治療だよ」と伝えてあげたいです。
-----そのように考えられるようになるには、どうしたら良いでしょうか。
長屋さん:
まず、透析について多くの知識を得ることです。それから、自分自身でさまざまな体験をしてみることではないでしょうか。まずは実際にやってみて「この方法は自分には合わない」とか「こうしたらもっと楽にできる」とか、自分なりの答えを見つけることができれば、そこから透析に対する考え方も変わっていくのではないかと思います。
-----透析導入後、もっと早く知っておけば良かったと思うことはありますか。
長屋さん:
私は透析導入後のさまざまな制限について、厳しく捉え過ぎていたような気がします。食事や水分の制限を「常に完璧に守らなければいけない」と考えてしまうとストレスにしかなりません。例えばリンやカリウムの調整は、食事制限だけでなく、薬を服用することや透析量を増やすことでも対処できます。そのような知識ももった上で、少し心に余裕をもってそれらの制限について捉えることができれば、透析自体に感じるストレスを減らせるのではないかと思います。
-----腎代替療法を選ぶ前の慢性腎臓病患者さんの中には、透析に対して強い不安をお持ちの方もいると思いますが、その不安を和らげるにはどうしたらいいでしょうか。
西田主任:
腎代替療法に血液透析、腹膜透析、腎移植といった選択肢があるように、近年は血液透析の方法も多種多様になり、患者さんのニーズに合った方法を選べるようになってきました。
そもそも患者さんは誰しも病気が悪くなっていくことを受け止めたくないものですが、マイナス思考になってしまうと、できるものもできなくなってしまいます。もし透析が必要になった場合でも、長屋さんのように「この方法にすれば、こういうことができる」と物事をプラスに考えることができれば、不安も和らぐのではないかと思います。
長屋さん:
私も16歳で入院したときには、病気になった自分自身を受け入れることができず、マイナス思考になりましたが、治療を進めていくうちに少しずつ物事をプラスに考えられるようになりました。そのときの経験があったので、その後、腎不全と診断されて透析導入になった際にもあまりマイナス思考に陥ることなく、透析治療を受け入れることができたと思います。
-----そのような経験がない方がプラス思考になるにはどうしたらいいと思われますか。
長屋さん:
やはり、透析などの腎代替療法についてしっかりと知ることが大切だと思います。腎援隊のように透析や腎移植についての詳しい情報を提供している疾患啓発サイトもありますし、私が所属している「愛知県腎臓病協議会」のような患者会に来ていただければ、透析患者さんの生の声を聞くこともできます。まずは書籍や疾患啓発サイトなどで勉強していただいて、その後に患者会で患者さんから直接お話を聞いていただくと、より具体的に治療についてイメージでき、不安も和らぐと思います。
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☞ 【参考】
腎移植者インタビュー
生体腎ドナーインタビュー
2018.10.11 3療法経験者インタビュー
2016.08.25 透析のドクターコラム
2016.06.30 透析の基本情報
2016.11.24 透析のドクターコラム