2018.12.20 教えて!ドクター
日本における透析の現状
監修:神戸大学医学部附属病院 腎臓内科 腎・血液浄化センター 西 愼一 先生
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日本の透析患者数はいまや約35万人となり、年々増加しています。
新たに透析をはじめた人(導入患者)の数も、年間40,000人以上におよびます。
また、患者さんの高齢化も進んでいます。2021年の平均年齢は69.67歳、導入患者の平均年齢は71.09歳で、年々上昇しています。
透析療法は、治療法の違いによって、大きく「血液透析」と「腹膜透析」の2つに分けられます。日本では、血液透析が97.0%(339,199人)、腹膜透析が3.0%(10,501人)と、ほとんどの透析患者さんが血液透析を行っています。
透析を始める原因となった疾患(原疾患)は、糖尿病性腎症がいちばん多く、続いて慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順です。
透析患者さんの年間粗死亡率は10.4%(2021年)(*)で、欧米と比べても低い数字です。これは、日本の透析機器の開発技術と診断・治療技術が、世界トップクラスであることのあらわれです。
また、社会保障制度が充実している点も、日本の透析医療の大きな特徴です。本来、透析治療にかかる医療費は、外来血液透析でおよそ月40万円、腹膜透析でおよそ月30〜50万円です。このような高額の医療費も、さまざまな公的助成制度を利用することによって、多くの患者さんの負担はわずかとなります(月数千円程度以内が多い)。
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☞【参考】
腎移植・腹膜透析・血液透析...どうやって治療法を選ぶ?「腎代替療法 私の選び方」
動画体験シリーズ「血液透析」
<出典>
* 花房規男 他. わが国の慢性透析療法の現況(2021年12月31日現在) 透析会誌 2022;55:665-723