~よりよい透析生活のために ②~
よりよい透析生活のために ②
2016.10.31 透析ライフ
透析療法を続けていると、さまざまな合併症が起こることがあります。透析患者さんに起きやすい合併症について説明します。
監修:久留米大学医学部 内科学講座 腎臓内科部門 主任教授 深水 圭 先生
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透析患者さんの死亡原因の第1位は心不全ですが、第2位は感染症で、その割合は近年少しずつ増加しています。特に、透析導入して間もない患者さんは感染症で亡くなられることが比較的多く、2021年に透析導入して年末までに亡くなられた患者さんのおよそ4人に1人は感染症が原因でした(*)。
透析患者さんは、以下のような原因によって感染症にかかりやすくなっています。
免疫機能の低下
免疫機能とは、主に病原菌や異物を排除する白血球のはたらきのことです。透析患者さんは、栄養不足や尿毒素の体内への蓄積、糖尿病の合併などのさまざまな原因で、免疫機能が低下しやすくなります。
透析療法に伴う感染リスクの増加
血液透析患者さんは、透析の度にシャント血管に針を刺す必要がありますが、針を刺す際に、周囲の皮膚についている細菌などが体内に入り込んでしまう可能性があります。そのため、血液透析患者さんは一般の方に比べて病原菌に感染するリスクは高くなります。
腹膜透析患者さんも、体外から腹腔内へとつながるカテーテルを腹部に留置していることで、感染のリスクが高くなります。
肺炎、結核
免疫機能の低下を抑える
・医師や栄養士の指導に基づいた食事療法で、必要とされる栄養を確保します。
・十分に透析を行って、尿毒素をしっかりと取り除きます。
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<出典>
* 花房規男 他. わが国の慢性透析療法の現況(2021年12月31日現在) 透析会誌 2022;55:665-723
2016.10.31 透析ライフ
2016.12.22 透析のアニメ
2019.06.20 透析の基本情報
2017.11.29 透析のドクターコラム