2019.02.21 教えて!ドクター
腎移植後も透析導入後も、食事制限が完全になくなるわけではありませんが、CKDステージ4~5の腎不全の頃と比べて制限が緩和されます。緩和の程度は、腎移植と透析で大きく異なります。また、透析療法においては、透析方法や、腎機能がどのくらい残っているかにより、制限が緩和される程度が異なります。
<腎移植患者さんの食事制限>
腎移植後は、腎機能が安定すれば、基本的には食事制限が無くなり、ほとんどのものが自由に食べられるようになります。ただし、移植した腎臓を長くもたせるためには、太らないように気を付ける必要があります。
また、移植後に毎日服用する免疫抑制薬の効果に影響を及ぼす食品(グレープフルーツなどの一部の柑橘類や、一部のハーブティー など)は飲食できません。
生ものを食べる際にも、新鮮なものを選ぶよう注意する必要があります。
☞ 参考:腎移植ライフ「腎移植後の食事」
<血液透析患者さんの食事制限>
透析導入すると、水分やリンのように新たに制限が加わるものもありますが、体に溜まった老廃物などを透析で取り除くことができるようになるので、透析導入前に比べてタンパク質、カリウムの制限は緩和されます。
さらに、長時間透析や頻回透析(週5回以上の透析)などを行えば、より多くの老廃物や余分な水分を取り除けるようになるので、食事・飲水の制限がより緩和される可能性があります。在宅血液透析で長時間透析や頻回透析を行っている患者さんの中には、食事制限がほとんど無い方もいらっしゃいます。
☞ 参考:透析ライフ「透析患者さんの食事」、ドクターコラム「在宅血液透析のススメ」
<腹膜透析患者さんの食事制限>
腹膜透析においても、血液透析と同様に、透析導入後は水分やリンの制限が加わる一方で、タンパク質やカリウムの制限は緩和されます。
腹膜透析は残っている腎機能を保持しやすく、尿量が保たれやすい透析方法です。そのため、尿量が確保されているうちは、透析に加えて尿によっても余分な水分を出すことができるので、塩分、水分の制限は一般的な血液透析に比べると緩やかです。
☞ 参考:透析ライフ「透析患者さんの食事」
☞ 「病院を探そう!」伊丹腎クリニックのご紹介ページ