
2015.11.17 透析の基本情報
教えて!ドクター
掲載日:2019/04/04
透析を始める前や、透析を始めて間もない頃は、「透析を受けたくない」「透析をやめたい」と考える方が多いようです。また、高齢となり透析を続けていくことが難しいため、そのように考える方もいらっしゃいます。いかに長く生きるかだけではなく、いかに納得して生きるかを皆さんが真剣に考える時代になったのだと思います。
しかし、腎不全患者さんは、生命維持のためには透析などの腎代替療法を受ける必要があります。
☞ 参考:Q. 透析は、何のために受けるのですか?
透析を受けたくない、透析をやめたいという方は、まずは腎代替療法についてもう一度よく知り、考えてみてはいかがでしょうか。
◆ 腎移植 -透析以外の腎代替療法-
透析以外の腎代替療法としては腎移植があり、生体腎移植と献腎移植の2種類があります。
生体腎移植は、医学の進歩によって適応が広がり、近年では年間1,700件程度が行われるようになりました(*1)。また、透析を経ることなく生体腎移植を受ける先行的腎移植も増えてきています(2021年に行われた生体腎移植においては、約40%が先行的腎移植となっています(*1))。興味がある方は、一度腎移植を行っている病院でお話を聞いてみると良いでしょう。
献腎移植は、年間200件程度が行われています(*1)。献腎移植を希望する場合は、主治医に相談して、日本臓器移植ネットワークに移植希望登録を行います。献腎移植を受けるまでの待機期間は、現在は平均約14年8カ月(小児を含む)となっています(*2)。
<出典>
*1 日本臨床腎移植学会・日本移植学会. 腎移植臨床登録集計報告(2022) 移植 2022;57:199-219
*2 日本臓器移植ネットワーク. NEWS LETTER Vol.26,2022:7
*3 Charra B,Calemard E,Ruffet M, et al.Survival as an index of adequacy of dialysis. Kidney Int 1992;41:1286-1291
*4 Charra B,Chazot C, Jean G, Laurent G. Long, slow dialysis. Miner Electrolyte Metab 1999;25:391-396
*5 Kurella M,Chertow GM. Dialysis session length('t') as a determinant of the adequacy of dialysis.Semin Nephrol 2005;25:90-95
*6 Brunet P,Saingra Y, Leonetti F,Vacher-Coponat H, Ramananarivo P, Berland Y. Tolerance of haemodialysis:a randomized cross-over trial of 5-h versus 4-h treatment time.Nephrol Dial Transplant 1996;11 (Suppl 8):46-51
*7 McGregor DO, Buttimore AL, Lynn KL,Nicholls MG, Jardine DL.Acomparative study of blood pressure control with short in-center versus long home hemodialysis. Blood Purif 2001;1:293-300
*8 Luik AJ, Sande FM, Weideman P,Cheriex E, Kooman JP, Leunissen KM.The influence of increasing dialysis treatment time and reducing dry weight on blood pressure control in hemodialysis patients:a prospective study. Am JNephrol 2001;21:471-478
*9 前田利朗 6時間透析における生存率-20年の経験から- 日本透析医会雑誌 2010;25;95-100
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