教えて!ドクター

Q

慢性腎臓病(CKD)ですが
運動をしない方がいいですか?

慢性腎臓病(CKD)ですが
運動をしない方がいいですか?

回答いただいた先生
福岡大学医学部 腎臓・膠原病内科学 主任教授 升谷 耕介 先生
福岡大学医学部 腎臓・膠原病内科学 主任教授
升谷 耕介 先生
運動

掲載日:2023/11/07

A

以前は、慢性腎臓病(CKD)の患者さんが運動すると、蛋白尿が増えて腎障害が悪化するといわれていたため、なるべく安静を保つことが原則でした。
しかし最近、適度な運動は腎機能の低下を防ぎ、透析などの腎代替療法への移行を遅らせること、そして死亡率も下げることがわかってきました(*1)。こうしたことから、現在は慢性腎臓病の運動療法が注目されるようになり、患者さんに適度な運動が勧められています。

慢性腎臓病患者さんに勧められる運動の種類は、有酸素運動、レジスタンス運動、またはそれらを組み合わせたものになります。

※レジスタンス運動:ダンベル運動やスクワット、腹筋、腕立て伏せなどの、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動。

CKD患者さんに勧められる運動の例

ただし、治療を受けていない、あるいは症状が安定していない心臓病がある場合など、合併 している疾患や状態によっては、運動療法を制限する必要があり、場合によっては運動療法が禁忌になることもあります(*2)。運動を始める前に、どの程度の運動が可能か、必ず医師に相談しましょう。

医師に相談

☞ 参考:基礎知識「慢性腎臓病の運動療法
☞ 参考:教えて!ドクター「Q. 慢性腎臓病を治療するためには、どのような病院を受診すればいいですか?

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<出典>
*1 Chen IR, Wang SM, Liang CC et al. Association of walking with survival and RRT among patient with CKD stages 3-5. Clin J Am Soc Nephrol 2014;9:1183-1189
*2 日本腎臓リハビリテーション学会 腎臓リハビリテーションガイドライン 南江堂 2018:33-34


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