腎移植はどんな治療法?

腎移植には、生体腎移植と献腎移植の2種類があります。最近の腎移植医療の傾向について説明します。

高齢者の腎移植

監修:東邦大学医療センター大森病院 腎センター 教授 酒井 謙 先生

超高齢社会を迎えた日本では、腎不全患者の高齢化も進み、高齢で透析導入される方や、腎移植を受ける方が増えています。
実際、2016年の透析導入患者(39,344人)の平均年齢は、男性が68.6歳、女性が71.2歳でした(*1)。また、2017年に行われた1,429例生体腎移植のうち、60代のレシピエントは283例(19.8%)、70歳以上のレシピエントは60例(4.2%)となっています(*2)
※2017年腎移植実施症例登録情報にデータ入力のある症例数の合計

生体腎レシピエントの年代別割合

高齢のレシピエントに腎提供を行える生体腎ドナーは、その多くが配偶者となっており、高齢の生体腎ドナーも増加傾向にあります(*2)

生体腎ドナーの年代別割合

日本移植学会の生体腎ドナーガイドラインでは、生体腎ドナーの年齢は20歳以上70歳以下が望ましいとしていますが、検査の結果、腎機能に問題が無く、他の持病も無い場合は、70歳以上でもドナーとなりえる場合もあります。

高齢の腎移植者が注意するべきこと

一般的に、加齢に伴い多くなる合併症としては、がん、糖尿病、脂質異常症、脳血管障害、循環器疾患、認知症などがあります。そのため、高齢の腎移植者も、食生活や運動不足に気を付け、生活習慣病を予防し、定期的ながん検診を受診するなど、一般の高齢者以上に対策を行う必要があります。
また、加齢による認知機能の低下は、腎移植後の服薬管理に影響を及ぼす可能性があります。移植後は、免疫抑制薬を中心とした薬を、毎日決められた時間やタイミングに決められた量、服用し続けなければなりません。そのため、日ごろから飲み忘れが起きないように対策を取る必要があります。

高齢腎移植者の服薬管理事例


高齢者が腎移植を受けるメリット

腎移植は腎代替療法の中でQOLの高い治療法で、透析治療のための時間的拘束もなく、腎機能が安定すれば、毎日の服薬と月1回程度の通院・検査以外は、多くの方が健常者とほとんど変わらない生活ができます。
※QOL:生活の質のこと(Quality Of Life)
☞詳しくは「腎移植ライフ」をご覧ください。

高齢者の旅行

例えば、定年後にご夫婦でたくさん旅行をしたい、より多くの時間をご家族と過ごしたい、など、自由な時間をより多く確保したい方にとっては、腎移植が最適な治療法になる可能性があります。
ただし、末期腎不全に至る原因となった疾患(原疾患)が糖尿病だった方は、移植後も糖尿病の管理が必要です。また、高血圧による腎硬化症が原因だった方は、移植後は血圧の管理が特に重要になります。移植後も、原疾患に応じた自己管理をしっかりと行うようにしましょう。

腎移植・透析をお考えの方はこちらへ ⇓ ⇓

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☞【参考】
動画体験シリーズ「生体腎移植
腎移植ライフ「腎提供後の生体腎ドナーの自己管理
ドクターコラム「生体腎ドナーの腎機能と健康

<出典>
*1 日本透析医学会 統計調査委員会 図説 わが国の慢性透析療法の現況(2016年12月31日現在)
*2 日本臨床腎移植学会・腎移植臨床登録集計報告(2018)移植 2018;53:89-108


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