慢性腎臓病患者インタビュー

腎生検の体験談(2)

IgA腎症患者 堀 寛美 さん

腎生検の体験談(2)

IgA腎症患者 堀 寛美 さん

IgA腎症患者 堀寛美さん

2012年に腎生検を受け、IgA腎症と診断された堀寛美さん。3人のお子さんを育てながらお仕事に励む忙しい毎日の中で病気を発症しましたが、積極的に病気と向き合うことで、寛解状態まで回復することができました。
腎生検に至るまでの経緯や、腎生検の際の詳しい状況、その後の治療中に感じたことなど、ご自身の体験について、その時々の心境にも触れながらお話しいただきました。
※寛解(かんかい):症状が一時的あるいは継続的に軽くなったり、消えたりした状態。

取材日:2024/10/28

目次

注)記事の内容につきましては患者様から伺ったお話をそのまま掲載しておりますが、あくまで個人の経験と主観に基づくご意見・ご感想です。

経緯

Chapter 1: 血尿のみが続き、泌尿器科でも異常は見当たらず...

----- 最初に病気の兆候が現れたのはいつごろでしたか。

堀さん
2008年、私が40歳くらいの時です。当時は小学生、中学生、高校生の3人の子どもを育てながら地方公務員として働いており、忙しい毎日を送っていましたが、職場の健康診断で尿潜血が陽性(血尿)と判定されたのが最初の兆候でした。近所の内科クリニックにかかりましたが、再検査の結果は陰性でした。私は、公務員の仕事に就く前に3年ほど看護師をしており、生理周期前後に血尿が出る場合があることも知っていたので、その時は特に気にしませんでした。
その後も2~3年の間、健康診断で血尿が続いたので、病院の泌尿器科で精密検査を受けたりもしました。しかし、血尿から疑われるがんや尿路結石などの病気は見つからず、経過観察で問題ないとのことでしたので、安心していました。

※尿路結石:腎臓や尿管、膀胱、尿道に石(結石)ができる病気。

----- そのころは、何か体調に異変を感じることはありましたか。

堀さん
まったく無かったです。血尿といっても見た目が赤いわけでもないし、自覚できる症状は何もありませんでした。
ところが、最初の兆候が現れた3年後の2011年の夏ごろ、両足がひどくむくんできて、体重も増えてきたので、これは少しおかしいと思いました。かかりつけの内科クリニックで検査を受けると、血尿と蛋白尿、血圧上昇を指摘されました。先生から「大学病院を紹介しましょうか?」と尋ねられましたが、若いころから蛋白尿が出やすい体質でしたし、健康にも自信があったので、少し疲れているだけだろうと思い、3カ月後に予定していた人間ドックの結果を見て判断することにしました。

----- 人間ドックでの検査結果は、どのようなものでしたか。

堀さん
食生活などに気を付けていたおかげか、血圧やむくみは改善していました。血液検査の結果も特に問題は無く、クレアチニンも0.7 mg/dLで正常範囲内でした。しかし、尿検査の結果を見た先生から、かなり強い口調で「すぐに大学病院の腎臓内科を受診してください」と言われてびっくりしました。相変わらず自覚症状は無かったので、正直なところ、「大学病院なんて大げさだな、面倒だな」と思っていましたが、今にして思えば、あの時、先生から厳しく言っていただけて良かったです。

※クレアチニンの正常範囲は、男性で0.65 ~ 1.07 mg/dL、女性で0.46 ~ 0.79 mg/dL(日本臨床検査医学会 編. 臨床検査のガイドライン JSLM 2021:18)。


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