
生体腎移植者 山上隆さん(仮名)
生体腎移植者 山上隆さん(仮名)
2017.08.31 レシピエントインタビュー
慢性腎臓病患者インタビュー
2023年に腎生検を受け、IgA腎症と診断された伊藤直樹さん(仮名、50代)。会社の健康診断がきっかけで病気が見つかりましたが、早期診断・早期治療によって、症状が現れることなく、病状を落ち着けることができました。
腎生検に至るまでの経緯や、腎生検の際の詳しい状況、その後の治療中に感じたことなど、ご自身の体験について、その時々の心境にも触れながらお話しいただきました。
取材日:2024/10/29
注)記事の内容につきましては患者様から伺ったお話をそのまま掲載しておりますが、あくまで個人の経験と主観に基づくご意見・ご感想です。
Chapter 1: 健康診断で血尿が見つかり、すぐに泌尿器科を受診
----- 最初に病気の兆候が現れたのはいつごろでしたか。
伊藤さん:
2023年の3月に、毎年受けている会社の健康診断で、尿に含まれる赤血球が多い(尿潜血)という判定を受けたのが最初でした。同時に、血圧も少し高めだと言われました。そして、泌尿器科と循環器科への紹介状を出されました。
----- 当時、思い当たる症状などはありましたか。
伊藤さん:
まったくありませんでした。仕事で忙しい毎日を送っていましたが、体調に気になるところは何もありませんでしたし、尿の見た目も変わりありませんでした。健康診断に引っ掛かることも、ましてや紹介状が出されることも初めてだったので、びっくりしてすぐに病院を受診しました。
----- 泌尿器科と循環器科、それぞれどのような診療内容でしたか。
伊藤さん:
ネットで調べて近所の泌尿器科クリニックを受診し、そのクリニックから循環器科のクリニックを紹介してもらいましたが、どちらも3カ月間ほど通院しました。
循環器科で血圧について診てもらいましたが、生活習慣を見直すことで改善できました。禁煙し、お酒も控えるようにし、睡眠も6時間くらいしっかりとるようにしたら、上(収縮期血圧)で130~140くらいあった血圧が120台くらいに落ち着きました。お薬を飲む必要もなかったです。
一方で、血尿を診てもらった泌尿器科の方は、簡単にはいきませんでした。最初に尿検査、血液検査に加えて、尿路結石※が無いか調べるために超音波検査も行いました。改めて血尿が確認されましたが、原因は見つからず、1カ月後の受診時には蛋白尿も出始めました。がんの可能性もあるとのことで、CT検査も行いましたが、がんも見つかりませんでした。
その時に受けた先生からのアドバイスがとても論理的で明瞭だったことを覚えています。具体的には、「尿路結石やがんといった外科的な原因は見つかりませんでした。ただし、異常があることに変わりはありません。他の可能性としては、腎臓の内科的な病気が考えられます。ここから先は私の専門外になりますので、大学病院の腎臓内科を受診してください」というアドバイスでした。これを聞いた時に、迷わず腎臓内科を受診しようと思いました。
※尿路結石:腎臓や尿管、膀胱、尿道に石(結石)ができる病気。
----- 腎臓の病気かもしれないと聞いた時は、どのように思いましたか。
伊藤さん:
「がんかもしれない」と言われた時が一番落ち込んだので、それが否定されて心底ほっとしたというのが正直なところです。また、血尿や蛋白尿の原因が徐々に絞られてきて、前に進んでいると感じていたので、その点はポジティブにとらえていました。ただ、腎臓の病気というのは想定していませんでしたし、当時はよく分からないものだったので、新たな不安も生まれました。
先生からは、「腎臓の病気を特定するために、場合によっては腎生検を行うかもしれません」とも言われました。その時、初めて「腎生検」という言葉を聞きました。帰宅後、腎生検についてネットで詳しく調べました。
----- 腎生検について調べて、どのような印象を持ちましたか。
伊藤さん:
特に怖いとは思いませんでしたが、やらずに済むならその方がいいとは思いました。
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