講師 今井 直彦 先生
講師 今井 直彦 先生
2019.06.17 腎代替療法のドクターコラム
監修:神戸大学医学部附属病院 腎臓内科 腎・血液浄化センター 西 愼一 先生
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腎臓の機能が低下しても、すぐに透析や腎移植が必要になるわけではありませんが、一般的には糸球体濾過量(GFR)が15mL/min/1.73m²以下になった状態で、尿毒症の症状が出現する頃、透析や腎移植などの腎代替療法の準備が必要になります。透析をせず移植する場合はもう少し早い段階から準備が必要です。
食事療法や薬物治療で尿毒症の症状が改善できない場合には、透析導入となります。
具体的な導入基準としては、「臨床症状」「腎機能」「日常生活の障害度」を点数化し、合計点数が60点になったときを導入の目安とする「慢性腎不全透析導入基準(1991年厚生科学研究班)」があります。実際には、点数に関わらず、肺水腫や著しい高カリウム血症などにより緊急透析を行うこともあります。
生体腎ドナーとなっていただける方がいらっしゃり、生体腎移植が可能な場合は、腎機能が大きく低下して尿毒症症状が現れる前に、移植に向けて準備を進めていく必要があります。
尿毒症症状がある状態では、まずは透析導入し、老廃物の除去や電解質の調整などを行った上で移植の準備を行うことが必要です。
透析導入をせずに生体腎移植を行う「先行的腎移植(プリエンプティブ腎移植)」の方が、透析を経てから腎移植を行うよりも、移植腎生着率、患者生存率が良好であるという報告もあります。先行的腎移植を希望される場合は、時期を逸しないように、腎移植専門医を早期に受診することが必要です。
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☞【参考】
腎移植・腹膜透析・血液透析...どうやって治療法を選ぶ?「腎代替療法 私の選び方」
動画体験シリーズ「自分にあった治療法を見つけよう~療法選択外来の実際」
3療法経験者インタビュー 松尾 裕子 さん
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